令和7年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午後 問2 脆弱性の深刻度評価と対応優先度
この問題は2025(R7)春 情報処理安全確保支援士 午後に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・数式・図表参照の調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。
学習ガイド
公開サイトの脆弱性診断結果を題材に、脆弱性管理の中核である対応優先度の判断を問う問題です。CVSSの攻撃条件複雑さ(AC)の評価根拠を具体的に説明させる設問や、EPSS値を使うと優先度判断の手間が減る理由など、深刻度と悪用可能性を区別して扱えるかが試されます。この記事では、評価指標それぞれが何を測っているのかを整理した上で、優先度判定の空欄を基準への当てはめとして確認していきます。
この記事で押さえる論点
- CVSSの評価項目(AC等)の根拠を脆弱性の性質から説明する
- EPSSやKEVを使った優先度判断の利点を理解する
- 診断で検出された脆弱性の対応優先度を基準に沿って判定する
出題情報
- 出題
- 2025(R7)春 情報処理安全確保支援士 午後 問2
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
脆弱性対応の優先順位の判断は,脆弱性が悪用されることを防ぐために非常に重要である。本問では,公開サイトの脆弱性診断で検出された脆弱性を題材として,脆弱性の深刻度レベルと対応優先度を判断する能力及び対応を検討する能力を問う。
問2では,脆ぜい弱性管理を題材に,脆弱性,その深刻度レベル及び対応優先度について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
脆弱性管理に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
M社は,従業員3,000名の情報サービス業を営む企業である。ソフトウェアの開発・販売を行っており,自社ホームページのほか,販売したソフトウェアのサポート用Webサイトなど複数のWebサイト(以下,Webサイトをサイトという)を保有している。M社では,メンテナンスのために管理者が自宅や外出先からサイトにリモートアクセスする。セキュリティに関する問合せ窓口は,情報システム部が担当している。
M社が保有するサイトのうち,重要なサイト(以下,重要サイトという)は,プラットフォームに対する脆弱性診断(以下,PF診断という)及びWebアプリケーションプログラムに対する脆弱性診断(以下,Webアプリ診断といい,PF診断とWebアプリ診断を併せて両診断という)を初回リリース前に実施するルールになっている。初回リリース後の両診断の実施については任意である。重要サイトの指定は,扱う情報の重要性,停止による影響などを勘案し,各サイトの所管部門が判断している。重要サイト以外のサイトに対する両診断の実施は任意である。
両診断は,情報システム部の選定した専門ベンダーP社に依頼して実施,又は情報システム部の選定した脆弱性診断ツール(以下,診断ツールという)を用いて各サイト担当者が実施する。ただし,緊急の場合,情報システム部が実施することもある。P社のWebアプリ診断は,脆弱性が実際に悪用できることを確認した上で報告してくれるので,評判がよい。
脆弱性はCritical, High, Medium, Low, Noneの5段階の深刻度レベルに分類される。P社に依頼して診断を行う場合は,P社から深刻度レベルの報告を受ける。深刻度レベルは,情報システム部が選定した診断ツールの場合はCVSS基本値によって分類される。P社の診断では,P社が独自の知見でCVSS基本値を基に値を変え,分類している。M社では,深刻度レベルがHigh以上の場合は速やかな修正を必須とし,それ以外は所管部門が対応要否を判断する。
〔脆弱性の報告〕
ある日,M社のキャンペーンサイトX(以下,サイトXという)のキャンペーンページにSQLインジェクションの脆弱性が存在しているという指摘が問合せ窓口に報告された。報告内容についてサイト担当者に確認したところ、脆弱性が存在する可能性があるとの回答であった。サイトXは重要サイトに指定されていなかった。サイトXの仕様を図1に示す。

図の説明テキスト
サイトXの仕様(抜粋)
・Webサーバ、Webアプリケーションサーバ及びデータベース(以下、DBという)サーバから成る。
・キャンペーン情報をDBサーバに格納している。
・顧客情報は保有していない。
・キャンペーンページのURLのクエリパラメータにコンテンツ番号が含まれている。
URL例: https://site-x.m-sha.co.jp/info?article=20250101
・コンテンツ番号がDBサーバ上に存在しない場合、又はSQLが構文エラーになる場合は、“コンテンツがありません”というメッセージを返す。
・Webアプリケーションプログラムにおいて、クエリパラメータarticleの値はSQLでの検索では数値型として扱われる。
情報システム部のEさんとJ課長は、報告の内容を確認するために、情報システム部が診断ツールを実行する旨をサイトXの担当者に伝えた。
Webアプリ診断用の診断ツールを該当ページに対して実行したところ、深刻度レベルがHighのSQLインジェクションの脆弱性が検出された。SQLインジェクションの脆弱性検出時のクエリパラメータ及び応答を表1に示す。

図の説明テキスト
表1 クエリパラメータ及び応答(概要)
article=20250401 : 2025年4月1日のキャンペーンのコンテンツが返される。
article=20250401' : a
article=20250401'%20and%20'a'='a : b
article=20250401'%20and%20'a'='b : c
article=20250401%20and%201=0 : d
article=20250401%20and%201=1 : e
Eさんは、速やかにサイト担当者に連絡し、インターネットからサイトXにアクセスできないようネットワーク構成を変更した上で、該当するプログラムを修正するよう依頼した。これに対してサイトXの担当者は、“重要情報の漏えいなどの問題が発生することはない。DBには重要情報もない。サイトXにアクセスできないようにする必要はない。”と主張した。それに対してEさんは、“本脆弱性はブラインドSQLインジェクションの脆弱性に該当する。そのため, 表1と同様の手法を用いることによって, DBのテーブル名が特定できることになる。”と説明した。Eさんは, DBのテーブル名を使うと攻撃者が次にどのような攻撃を行えるかを説明し, 対応する必要性を説いた。これを受け, 迅速に対応が行われた。
〔脆弱性が存在していた状況の確認と一斉診断の実施〕
対応完了後, 情報システム部では, 公開サイトは全て重要サイトに指定するようにルールを変更することにした。同時に, M社が保有する全ての公開サイトに対する一斉診断(以下, 一斉診断という)を実施することにし, その診断をP社に依頼した。診断対象サイトの情報を表2に示す。

図の説明テキスト
表2 診断対象サイトの情報
サイトA: ECサイト, 利用者が作成, 10000アクセス/日, 顧客情報有, 停止影響大
サイトB: 業務サイト, 管理者が発行, 3000アクセス/日, 顧客情報有, 停止影響中
サイトC: 情報提供サイト, なし, 10000アクセス/日, 顧客情報無, 停止影響小
(中略)
診断の結果, 深刻度レベルHigh以上の脆弱性が検出されたサイトが数サイトあり, Medium以下の脆弱性が数10件検出されたサイトも多数あった。
サイトによっては, 初回リリース時の両診断以降にアップデートや設定変更をしていないにもかかわらず, 初回リリース時の両診断結果と今回の一斉診断結果が異なっている場合もあった。P社の診断は, 決められた手順に従って行い, 診断結果は技術レビューを行うので, 診断員による差異はほぼないと, EさんはP社から聞いていた。また, 初回リリース時の両診断では, サイトに不具合はなかったと報告を受けている。Eさんが, 改めてP社に確認すると, 診断結果が異なっていた要因は, f や g だった。これらのことから, Eさんは初回リリース後も定期的な両診断が必要であると結論づけた。
〔PF診断で検出された脆弱性〕
PF診断で検出された脆弱性を表3に示す。

図の説明テキスト
表3 PF診断で検出された脆弱性(抜粋)
サイトA, PA-1, SSL/TLSサーバの暗号強度が弱く推奨されていない鍵交換をサポート, Medium, 5.9
サイトB, PB-1, OpenSSHでリモートから認証なしに任意のコード実行が可能, High, 8.1, CVE-20XX-XXXXX
サイトB, PB-2, 管理者用のWebのログイン画面に認証試行が何回でも可能, Medium, 5.3
サイトB, PB-3, SSL/TLSサーバの暗号強度が弱く推奨されていない鍵交換をサポート, Medium, 5.9
サイトC, PC-1, SSH接続の安全性を低下させることが可能, Medium, 5.9, CVE-20YY-YYYYY
(後略)
脆弱性PA-1とPB-3について,CRYPTRECが作成し,IPAが発行している“TLS暗号設定ガイドラインVer.3.1.0”の“4.推奨セキュリティ型の要求設定”には,表4に示す鍵交換におけるビットセキュリティの基準を満たすよう記載されていた。そのため,サイトA及びサイトBは基準を満たす設定に変更することにした。

図の説明テキスト
表4 鍵交換におけるビットセキュリティの基準
ECDHE: h ビットセキュリティ以上を満たす i
DHE: j ビットセキュリティ以上を満たす k
脆弱性PB-1は,管理者がメンテナンス用にリモートアクセスで使っているOpenSSHにおいて検出された。OpenSSHでは,ログインが一定時間内に成功しないと,認証試行のタイムアウト処理が実行される。脆弱性PB-1は,あるセキュリティベンダーの報告によると,認証試行のタイムアウト処理が同時に多数実行されると起き得る問題であり,認証試行の接続時間 (LoginGraceTime)の設定が 120 秒の場合,その間に 100 件試行されると,OpenSSHのログに “Timeout before authentication” という認証タイムアウトのメッセージが多数出力され,3〜4 時間で悪用に成功する可能性があるとのことだった。もしも,脆弱性を修正したバージョンの OpenSSHに更新できない場合には,次のいずれかを行う。
- トレードオフはあるものの,認証試行にタイムアウトを設けないようにサーバの設定を変更する。
- ①サイト担当者が攻撃を早期に検知する方法を採用することによって被害を抑制する。
サイトBでは,OpenSSHの更新を行った。
脆弱性 PB-2は,送信元 IPアドレス制限が対策の一つだが現実的な運用が難しい。代わりの対策として,ログイン画面のアカウントロックがあるが,採用する場合はロック解除の運用方法や実装について検討が必要である。サイトBでは,②アクセス元の PCを認証する対策を採用した。
〔Webアプリ診断で検出された脆弱性〕
Webアプリ診断で検出された脆弱性を表5に示す。

図の説明テキスト
表5 Web アプリ診断で検出された脆弱性(抜粋)
サイトA, WA-1, 本来閲覧できない画面を閲覧可能, Medium, 4.3
サイトB, WB-1, 本来閲覧できない画面を閲覧可能, Medium, 5.3

図の説明テキスト
表5 Web アプリ診断で検出された脆弱性(抜粋)(続き)
サイトC, WC-1, OSコマンドインジェクション, Critical, 9.8
脆弱性WA-1とWB-1は、HTTPリクエストの内容を一部変更することによって本来閲覧できない画面を閲覧できるという点では同じであるが、評価指標の値が異なる。評価指標のうち、③Attack Complexity (AC) の値はそれぞれLとHであった。
脆弱性WC-1について、④管理者権限が必要な操作ができなかったのは、サイトCの仕様どおりであった。サイトCの仕様を図2に示す。

図の説明テキスト
図2 サイト C の仕様(抜粋)
- Web サーバ及び Web アプリケーションサーバから成る。
- DB サーバとの連携はしていない。
- Web アプリケーションプログラムは,一般利用者権限の専用アカウントでプロセスを実行している。
- 問合せフォームに入力された値をメールコマンドで管理者宛てに送る。
- 問合せ内容がログに保存され,その中にメールアドレスなどの個人情報をもつ。
- ログには特定のアカウントだけがアクセスできる。
〔脆弱性評価方法の検討〕
一斉診断が一段落したところで,情報システム部は脆弱性管理についての課題を議論した。対応の要否判断が不適切であったサイトや対応が遅すぎたサイトがあったので,J課長は,Eさんに新たな脆弱性評価方法を検討するよう指示した。
はじめにEさんが調査したところ,IPAのホームページに“脆弱性対応におけるリスク評価手法のまとめ”というレポートが公開されていたので,これを参考にすることにした。Eさんは,検討内容をJ課長に報告した。次は,その際のEさんとJ課長の会話である。
Eさん:レポートでは,対応要の脆弱性を簡易的な1次評価で選び,さらに,2次評価で優先度を評価する手法が提案されています。
J課長:1次評価は具体的にはどのような評価をするのか。
Eさん:1次評価では,基本値とExploit Prediction Scoring System (EPSS)値を用います。EPSS値の代わりにCVSSv3の現状値を用いる方法もありますが,⑤現状値とEPSS値を比べると,現状値は手間が掛かり,EPSS値は手間が掛からないとされています。1次評価では図3のように脆弱性を領域図で4領域に分類します。

図の説明テキスト
図3 1次評価の領域図
横軸は基本値、縦軸はEPSS値(%)。しきい値Aとしきい値Bによって4つの領域に分割される。右上がI、右下がII、左上がIII、左下がIV。
J課長:しきい値はどうするのか。
Eさん:しきい値Aは7.0に,しきい値Bは1%に設定しようと考えています。領域IVは対応不要とし,領域I〜IIIを2次評価の対象にします。
J課長:なるほど。では,そのしきい値に設定してみて,対応すべき脆弱性に漏れが出るなどの問題があれば,しきい値を見直すことにしよう。
Eさん:はい。分かりました。
J課長:あとはEPSS値を用いた脆弱性評価について,しきい値の見直し以外にも,lを継続的に行うことで被害を防ぐ助けになるだろう。
Eさん:分かりました。
J課長:ところで,Webアプリ診断では,見つかった脆弱性のEPSS値が報告されないことが普通だが,どのように評価するのか。
Eさん:⑥P社のWebアプリ診断であれば,見つかった脆弱性のEPSS値は,しきい値Bよりも高いとみなすのが妥当であると考えられます。Webアプリ診断で検出される脆弱性を,全て領域ⅠかⅢとみなそうと考えています。
J課長:その方法が安全だな。次に,2次評価はどうするのか。
Eさん:2次評価は,環境値と先に評価した領域とを組み合わせた方法にしようと考えています。
J課長:環境値を全て算出するのだな。
Eさん:環境値の算出においては,現状評価基準の各評価指標を,“Not Defined”と設定することができます。環境評価基準での各評価指標の値の判断は各サイト担当者に依頼します。そして,表6に示す対応優先度表によってS〜Cの最終的な対応優先度を決定します。

図の説明テキスト
表6 対応優先度表
領域I, IIIの場合、CVSSv3環境値に応じて優先度がC, B, A, Sとなる。
領域IIの場合、C, C, B, Aとなる。
J課長:分かった。一斉診断の結果で幾つか評価して確認してほしい。
Eさん:分かりました。
〔対応優先度評価の実施〕
Eさんが2次評価を幾つか行った結果を表7及び表8に示す。

図の説明テキスト
表7 PF診断で検出された脆弱性に対する評価結果(抜粋)
PB-1: 対応優先度 m
PC-1: 対応優先度 n
PD-1: 対応優先度 o
PD-2: 対応優先度 p
PE-1: 対応優先度 q

図の説明テキスト
表8 Webアプリ診断で検出された脆弱性に対する評価結果(抜粋)
WA-1: 対応優先度 r
WB-1: 対応優先度 s
WC-1: 対応優先度 t
この運用によって,脆弱性対応の優先度評価がサイト担当者によらず適切かつ迅速にできるようになった。
設問と解答・解説
設問1
(1)
模範解答
選択肢ア: “コンテンツがありません”というメッセージが返される。
配点 1点
解説
解説
Webサイトへのリクエストに対する応答を答える問題である。存在しないコンテンツへのアクセスなどに対する適切な挙動を判断する。
各選択肢の解説
ア:正解。該当の状況において適切な応答である。
イ:誤り。キャンペーンのコンテンツは特定の条件下でのみ返される。
ウ:誤り。サーバから応答が返されない状態は、可用性が損なわれていることを示すため不適切である。
エ:誤り。内部サーバエラーはエラー発生時の予期せぬ挙動であり、適切な応答ではない。
(2)
模範解答
選択肢ア: “コンテンツがありません”というメッセージが返される。
配点 1点
解説
解説
ディレクトリトラバーサルなどの不正なパス指定を伴うアクセスに対する挙動を判断する問題である。
各選択肢の解説
ア:正解。不正なパス指定に対する対策が施されている場合、適切なエラーメッセージが返される。
イ:誤り。キャンペーンコンテンツを返す条件には合致しない。
ウ:誤り。応答がない状態はサーバ停止などを意味し不適切である。
エ:誤り。内部サーバエラーは適切なハンドリングが行われていない状態である。
(3)
模範解答
選択肢ア: “コンテンツがありません”というメッセージが返される。
配点 1点
解説
解説
Webサイトの仕様に基づき、特定のクエリストリングやパス指定時の応答を判断する。
各選択肢の解説
ア:正解。コンテンツが存在しない、あるいは無効な指定であるため適切なメッセージが返される。
イ:誤り。特定の日付に関するコンテンツ応答条件ではない。
ウ:誤り。可用性の問題を示すため不適切である。
エ:誤り。内部エラーとしての処理は望ましくない。
(4)
模範解答
選択肢ア: “コンテンツがありません”というメッセージが返される。
配点 1点
解説
解説
Webサイトの仕様に基づき、不適切なアクセスに対する応答を答える。
各選択肢の解説
ア:正解。対象コンテンツがない旨のメッセージを返すことが期待される。
イ:誤り。正常なキャンペーンコンテンツの条件に合致しない。
ウ:誤り。サーバの応答停止は不適切である。
エ:誤り。内部エラーを返す挙動は不適切である。
(5)
模範解答
選択肢イ: 2025年4月1日のキャンペーンのコンテンツが返される。
配点 1点
解説
解説
正常なキャンペーンページのアクセスなど、特定の条件を満たすリクエストに対する応答を答える。
各選択肢の解説
ア:誤り。正常なコンテンツが存在するため不適切。
イ:正解。要求された条件に合致するキャンペーンコンテンツが正常に返される。
ウ:誤り。正常なリクエストに対して応答がないのは誤りである。
エ:誤り。正常なリクエストでありエラーにはならない。
設問1は,正答率が平均的であった。本文中で示されているWebサイトの仕様が考慮されていない解答が散見された。本文をよく読んで解答してほしい。
設問2
(1)
模範解答
新たな脆弱性が発見されたこと
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 脆弱性の深刻度レベルが変更される要因として、新たな脆弱性が発見された事実を正確に記述できている。
- 1点: 新たな脆弱性の発見について触れているが、記述が不十分または不明瞭である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
解説
解説
脆弱性評価において、深刻度レベルが見直される要因を問う設問である。
高得点のポイント
- 深刻度が変化する具体的な理由として、「新たな脆弱性が発見されたこと」を明確に記述すること。
(2)
模範解答
リスクが変わったと評価し値を変えたこと
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: リスクが変わったと評価し、値を変えたことを正確に記述できている。
- 1点: リスクの変化について触れているが、記述が不十分または不明瞭である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
解説
解説
脆弱性評価において、深刻度レベルの変更措置が行われた理由を問う設問である。
高得点のポイント
- リスクの評価が変わり、その結果として値(深刻度レベル)を変更したという事実を記述すること。
設問3
〔PF診断で検出された脆弱性〕について答えよ。
(1)
模範解答
選択肢ウ: h: 128, i: 曲線, j: 112, k: 鍵長
配点 1点
解説
解説
暗号アルゴリズムの強度と鍵長に関する問題である。RSA 2048ビットと同等以上の強度を持つ暗号として、楕円曲線暗号(ECC)の仕様を問うている。
各選択肢の解説
ア:誤り。鍵長の対応関係が不適切である。
イ:誤り。楕円曲線暗号は直線ではなく曲線をベースとする。
ウ:正解。RSA 2048ビットと同等の安全性を持つ共通鍵暗号の鍵長は112ビット相当であり、楕円曲線暗号では鍵長224ビット以上が必要となる。
エ:誤り。直線ではなく曲線である。
(2)
本文中の下線①について,検知する方法を,具体的に答えよ。
模範解答
OpenSSHのログに認証タイムアウトのメッセージの出力が多数あったらサイト担当者に電子メールでアラートを送る。
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: OpenSSHのログにおける認証タイムアウトのメッセージ多数出力と、電子メールでのアラート送付の要素が正確に記述されている。
- 1点: 検知対象または通知手段のいずれかの記述が欠けている。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 検知条件とアラート送付アクションの因果関係が論理的に記述されている。
- 0点: 文脈や関係性が不明瞭である。
解説
解説
不正アクセスの試行を検知し、適切に通知する仕組みを問う設問である。
高得点のポイント
監視対象として「OpenSSHのログにおける認証タイムアウトのメッセージ」を特定すること。
検知条件として「多数出力された場合」であることを記載すること。
通知手段として「サイト担当者に電子メールでアラートを送る」ことを具体的に記述すること。
(3)
本文中の下線②について,採用した対策を,20字以内で具体的に答えよ。
模範解答
クライアント認証を行う。
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: クライアント認証を行う旨が正確に記述されている。
- 1点: 認証に関して触れているが、クライアント認証であることが不明確である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
解説
解説
不正なアクセスを防ぐための具体的な対策手法を問う設問である。
高得点のポイント
- 適切な対策として「クライアント認証を行う」ことを端的に記述すること。
設問4
〔Webアプリ診断で検出された脆弱性〕について答えよ。
(1)
本文中の下線③について,脆弱性 WA-1 の AC が L と評価された評価根拠を具体的に答えよ。
模範解答
パラメータitemの値が容易に推測できること
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: パラメータitemの値が容易に推測できるというCVSSv3のAC(攻撃条件の複雑さ)評価の根拠を正確に記述できている。
- 2点: 推測の容易性について触れているが、対象となるパラメータの特定が不十分である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。あるいは機密性など別指標の解説を行っている。
解説
解説
CVSSv3の評価指標であるAC (Attack Complexity: 攻撃条件の複雑さ)に関する設問である。
高得点のポイント
機密性への影響(C: Confidentiality Impact)など他の指標と混同せず、攻撃の難易度の観点から記述すること。
対象となる「パラメータitemの値」が「容易に推測できる」という事実を指摘すること。
(2)
本文中の下線③について,脆弱性 WB-1 の AC が H と評価された評価根拠を具体的に答えよ。
模範解答
発注確認機能のURLが推測困難であること
発注確認機能のURLを入手する必要があること
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 発注確認機能のURLが推測困難であること、または事前に入手する必要があることを正確に記述できている。
- 2点: URLに関する攻撃条件に触れているが、記述が不十分または曖昧である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。あるいは別指標の解説を行っている。
解説
解説
前問と同様に、CVSSv3の評価指標であるAC (Attack Complexity)についての評価根拠を問う設問である。
高得点のポイント
攻撃を実行するための事前条件に着目して記述すること。
「発注確認機能のURL」が「推測困難である」、または「事前に入手する必要がある」ことを明確に説明すること。
(3)
本文中の下線④について,該当するサイトCの仕様を,図2中の項番から選び,答えよ。
模範解答
3
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 該当する項番として「3」を正確に解答している。
- 1点: 解答の意図は読み取れるが形式に不備がある。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
サイトCの仕様について、図中の適切な項番を選択する問題である。
高得点のポイント
- 問題文の条件に合致する項番「3」を過不足なく解答すること。
設問4(1)は,正答率が低かった。CVSSv3の評価指標のうち,Attack Complexity(AC)の攻撃条件の複雑さについて出題をしたが,多くの受験生がC(Confidentiality Impact)の機密性への影響として解答していた。各評価指標の意味を理解して解答してほしい。
設問5
〔脆弱性評価方法の検討〕について答えよ。
(1)
本文中の下線⑤について,現状値は手間が掛かる理由を,40字以内で答えよ。
模範解答
攻撃コードなどの情報を多くの公開サイトにある情報から判断する必要があるから
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 攻撃コードなどの情報を多くの公開サイトにある情報から判断する必要があるという手間を正確に記述できている。
- 1点: 情報の収集や判断の手間について触れているが、記述が不十分である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
解説
解説
CVSSv3の現状値(Temporal Score)は、攻撃コードの出現状況やパッチの提供状況など、時間とともに変化する要素を評価する。この評価には持続的な情報収集と判断が必要となる。
高得点のポイント
攻撃コード等の情報を収集する必要性を記載していること。
多数の公開サイトから情報を判断する手間について言及していること。
(2)
本文中の下線⑤について,EPSS値は手間が掛からない理由を,40字以内で答えよ。
模範解答
FIRSTのサイトで公開されている値をそのまま使えばよいから
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: FIRSTのサイトで公開されている値をそのまま使えばよいという手軽さを正確に記述できている。
- 1点: 公開値の利用について触れているが、記述が不十分である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
解説
解説
EPSS (Exploit Prediction Scoring System) は、脆弱性が悪用される確率を予測・スコアリングする仕組みであり、FIRSTが日次で算出・公開している。
高得点のポイント
FIRSTのサイトで公開されている値を利用できる点を指摘していること。
独自の判断を要さず、「そのまま使えばよい」という運用上の手軽さを記載していること。
(3)
本文中の l に入れる適切な字句を,15字以内で答えよ。
模範解答
EPSS値の監視
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: EPSS値の監視を行う旨を正確に記述できている。
- 1点: 監視や確認の意図は読み取れるが、表現が不適切である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
解説
解説
EPSSスコアは日々変動する性質を持つため、一度の評価だけでなく継続的な確認が必要となる。
高得点のポイント
- スコアの変化に気づくための「EPSS値の監視」を行う旨を端的に記述すること。
(4)
本文中の下線⑥について,妥当である理由を,30字以内で答えよ。
模範解答
診断時に実際に悪用できることを確認しているから
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 診断時に実際に悪用できることを確認しているという理由を正確に記述できている。
- 1点: 実際の確認作業について触れているが、記述が不十分である。
- 0点: 正答の要件を満たしていない。
解説
解説
脆弱性の現実的な脅威を評価する際、机上の評価だけでなく、実際の診断において悪用が実証されているかどうかが判断の妥当性を高める。
高得点のポイント
診断時における実際の確認作業に言及していること。
実際に悪用できること(エクスプロイト可能であること)を妥当性の理由として挙げていること。
設問5(1)は,正答率が低かった。CVSSv3の現状値とEPSS値を比較して,手間の掛かる理由と掛からない理由を出題した。CVSSv3の現状値とEPSS値の利用手順を理解していない解答が散見された。それぞれの利用方法を具体的に理解してほしい。
設問6
(1)
模範解答
A
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。
(2)
模範解答
A
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。
(3)
模範解答
C
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。
(4)
模範解答
A
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。
(5)
模範解答
B
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。
(6)
模範解答
B
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。
(7)
模範解答
A
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。
(8)
模範解答
S
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正しい対応優先度の記号を解答している。
- 1点: 記号の指定など一部形式に不備があるが意図は読み取れる。
- 0点: 正答以外の解答である。
解説
解説
検出された脆弱性について、深刻度や現状の対策状況、各種スコアをもとに対応優先度を判断する。
高得点のポイント
- 与えられた評価基準に照らし合わせ、正しい優先度を判定して解答すること。