令和6年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午後 問題 問2 VPNへの攻撃とDDoS対策の設計

テクノロジセキュリティ技術ネットワーク

この問題は2024(R6)春 情報処理安全確保支援士 午後に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・数式・図表参照の調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

学習ガイド

リモートワークで使うVPNと公開サーバへのDDoS攻撃という2つの脅威への対策を設計する問題です。多要素認証を狙う攻撃手順を自分で記述させる設問が特徴で、防御を考えるためにまず攻撃者の動きを具体化できるかが試されます。正答率はやや高めだった問題なので確実に得点したいところです。この記事では、攻撃手順を段階に分けて書く型を示し、DNSの役割分担やCDN活用による軽減の理屈まで整理します。

この記事で押さえる論点

  • 多要素認証を狙った攻撃手順(疲労攻撃等)を具体的に記述する
  • DNSリフレクション等のDDoS攻撃と自社の弱点を対応付ける
  • 権威DNSとキャッシュDNSの役割分担から対策箇所を特定する

問題本文

サイバー攻撃への対策に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

H社は,従業員3,000名の製造業であり,H社製品の部品を製造する約500社と取引を行っている。取引先は,H社に設置された取引先向けWebサーバにHTTPSでアクセスし,利用者IDとパスワードでログインした後,H社との取引業務を行っている。また,公開Webサーバでは,H社製品の紹介に加え,問合せや要望の受付を行っている。いずれのWebサーバが停止しても,業務に支障が出る。

H社では,社内に設置しているPC(以下,H-PCという)とは別に,一部の従業員に対して,VPNクライアントソフトウェアを導入したリモート接続用PC(以下,リモート接続用PCをR-PCという)を貸与し,リモートワークを実現している。R-PCとH社との間のVPN通信には,VPNゲートウェイ(以下,VPNゲートウェイをVPN-GWといい,H社が使用しているVPN-GWをVPN-Hという)を使用している。

H社のネットワークは,情報システム部のL部長とT主任を含む6名で運用している。H社のネットワーク構成を図1に示す。

図1 H社のネットワーク構成
図の説明テキスト

H社のネットワーク構成図。インターネットからDMZ、UTMを経由して内部サーバセグメント、PCセグメントが接続されている。DMZ内には取引先向けWebサーバ、公開Webサーバ、DNSサーバ、プロキシサーバ、メールサーバ、VPN-Hが配置されている。R-PCはインターネット経由で接続される。

UTMの機能概要及び設定を表1に,VPN-Hの機能概要及び設定を表2に示す。

表1 UTMの機能概要及び設定
図の説明テキスト

表1 UTMの機能概要及び設定。ファイアウォール機能(有効)、NAT機能(有効)、IPS機能(無効)、WAF機能(無効)について記載されている。

表2 VPN-Hの機能概要及び設定(抜粋)
図の説明テキスト

表2 VPN-Hの機能概要及び設定(抜粋)。VPN通信機能(有効)と多要素認証機能(無効)について記載されている。

最近,同業他社でサイバー攻撃による被害が2件立て続けに発生したという報道があった。1件は,VPN-GWが攻撃を受け,社内ネットワークに侵入されて情報漏えいが発生した事案である。もう1件は,DDoS攻撃による被害が発生した事案である。
H社でも同様な事案が発生する可能性について,L部長とT主任が調査することにした。

〔VPN-GWへの攻撃に対する調査〕

T主任は, VPN-GWへの攻撃方法を次のようにまとめた。

  • 方法1 : VPN-GWの認証情報を推測し, 社内ネットワークに侵入する。
  • 方法2 : VPN-GWの製品名や型番を調査した上で, 社内ネットワークへの侵入が可能になる脆弱性を調べる。もし, 脆弱性が存在すればその脆弱性を悪用し, 社内ネットワークに侵入する。

T主任は, 方法1については, VPN-Hの認証強化を検討することにした。また, 方法2については, VPN-Hの脆弱性対策と, VPN-Hへのポートスキャンに対する応答を返さないようにする方法(以下, ステルス化という)を検討することにした。方法1と方法2についてT主任がまとめた対策案を表3に示す。

表3 方法1と方法2についてT主任がまとめた対策案
図の説明テキスト

表3。対策V-1(VPN-Hの認証強化)、V-2(VPN-Hの脆弱性対策)、V-3(ステルス化)について記載されている。

〔DDoS攻撃に対する調査〕

次に,T主任は,DDoSに関連する攻撃について調査し,H社で未対策のものを表4にまとめた。

表4 H社で未対策のDDoSに関連する攻撃
図の説明テキスト

表4。項番1(UDP Flood攻撃)、項番2(SYN Flood攻撃)、項番3(DNSリフレクション攻撃の踏み台にされる)、項番4(HTTP GET Flood攻撃)について記載されている。項番4の例には空欄aがある。空欄a: a

次は,表4についてのT主任とL部長の会話である。

T主任:項番1,2,4のDDoS攻撃のサーバへの影響は,UTMのIPS機能とWAF機能で軽減することができます。
L部長:そうか。機能の設定に関する注意点はあるのかな。
T主任:例えば,アノマリ型IPS機能で,トラフィック量について,しきい値が高すぎる場合にも,しきい値が低すぎる場合にも弊害が発生するので,しきい値の設定には注意するようにします。また,項番3の対策として,現在のDNSサーバを廃止して,権威DNSサーバの機能をもつサーバ(以下,DNS-Kという)とフルサービスリゾルバの機能をもつサーバ(以下,DNS-Fという)を社内に新設します。インターネットから社内へのDNS通信はbへの通信だけを許可し,社内からインターネットへのDNS通信はcからの通信だけを許可します。

〔対策V-1についての検討〕

次は,対策V-1についてのL部長とT主任の会話である。

L部長:対策V-1での注意点はあるのかな。
T主任:最近は,多要素認証の利用が多くなってきたこともあり,多要素認証を狙った攻撃が発生しています。多要素認証を狙った攻撃例を表5に示します。

表5 多要素認証を狙った攻撃例
図の説明テキスト

表5。攻撃例1(フィッシング攻撃)と攻撃例2(多要素認証疲労攻撃)について記載されている。攻撃例1の手順中に空欄d、eがある。空欄d: d、空欄e: e

L部長:攻撃例1については,不正なリモート接続を阻止するために,メールで受信したメッセージ内のURLリンクを安易にクリックしないよう注意喚起する必要があるな。
T主任:はい。しかし,当社では,業務の手続の督促などで従業員にURLリンクが含まれるメールを送っているので,URLリンクのクリックを禁止することはできません。不審なURLかどうかを見極めさせることは難しいでしょう。そこで,たとえ罠のWebサイトへのURLリンクをクリックしてしまっても,不正なリモート接続をされないように,従業員全員が理解できる内容を,注意喚起する必要があります。

〔対策V-3についての検討〕

次は,対策V-3についてのL部長とT主任の会話である。

L部長:対策V-3について説明してほしい。

T主任:VPN-Hには,どのような通信要求に対しても応答しない“Deny-All”を設定した上で,あらかじめ設定されている順番にポートに通信要求した場合だけ所定のポートへの接続を許可するという設定(以下,設定Pという)があります。

L部長:設定Pの注意点はあるのかな。

T主任:設定されている順番を攻撃者が知らなくても,攻撃者が何らかの方法でパケットを盗聴できた場合,設定Pを突破されてしまいます。

L部長:設定Pとは別の方法はあるのかな。

T主任:VPN-Hの機能にはありませんが,SPA(Single Packet Authorization)というプロトコルがあります。SPAの主な仕様を表6に示します。

表6 SPAの主な仕様
図の説明テキスト

表6 SPAの主な仕様。SPAパケットのHMAC検証、ランダムデータによるリプレイ攻撃防止などについて記載されている。

T主任:SPAなら,攻撃者が何らかの方法でパケットを盗聴できたとしても,突破はされません。

L部長:そうか。VPN通信機能と同様の機能をもち,SPAを採用している製品があるかどうか,ベンダーに相談してみよう。

L部長がベンダーに相談したところ,S社が提供しているアプライアンス(以下,S-APPLという)の紹介があった。L部長とT主任は,S-APPLの導入検討を進めた。

〔S-APPLの導入検討〕

S-APPLは,VPN通信機能,SPAパケットを検証する機能などをもつ。S-APPLと接続するためには,S-APPLのエージェントソフトウェア(以下,Sソフトという)を接続元のPCに導入し,接続元のPCごとのIDと秘密情報を,S-APPLと接続元のPCそれぞれに設定する必要がある。なお,秘密情報は,SPAパケットのHMACベースのワンタイムパスワードの生成などに使われる。S-APPLとSソフトの主な機能を表7に示す。

表7 S-APPLとSソフトの主な機能
図の説明テキスト

表7 S-APPLとSソフトの主な機能。SPA機能、VPN通信機能、多要素認証機能、接続サーバ許可機能について記載されている。

T主任は,対策V-1~3について,次のように考えた。

  • 対策V-1については,表7項番3の機能で対応する。方式は,表2(イ)の方式を採用する。
  • 対策V-2については,S-APPLの脆弱性情報を収集し,脆弱性修正プログラムが公開されたら,それを適用する。
  • 対策V-3については,表7項番1の機能で対応する。

T主任は,対策V-3のためのH社のネットワーク構成の変更案を作成した。なお,変更する際は,次の対応が必要になる。

  1. VPN-HをS-APPLに置き換える。R-PCには,Sソフトを導入する。
  2. R-PCごとのIDと秘密情報を,S-APPLとR-PCそれぞれに設定する。
  3. VPN-Hに付与していたIPアドレスをS-APPLに付与する。
  4. S-APPLのFQDNをDNSサーバに登録する。

T主任は,S-APPLの導入によってVPN-GWへの攻撃の対策が可能であることをL部長に説明した。L部長は,効果とリスクを検討した上で,S-APPLを導入することを決めた。

〔DDoS攻撃に対する具体的対策の検討〕

T主任は,表4の項番3以外に対する具体的対策の検討に着手した。
まず,通信回線については,DDoS攻撃で大量のトラフィックが発生すると,使えなくなる。これについては,通信回線の帯域を大きくするという方法のほか,外部のサービスを利用するという方法があることが分かった。
次に,サーバへの影響は,これまでに検討したUTMのIPS機能とWAF機能を有効化することで軽減できることが分かっている。加えて,取引先向けWebサーバについては,次の対応によって,更にDDoS攻撃の影響を軽減できることが分かった。

  • 取引先には,H社との取引専用のPC(以下,取引専用PCという)を貸与する。取引専用PCには,Sソフトを導入する。
  • 取引専用PCごとのIDと秘密情報を,S-APPLと取引専用PCそれぞれに設定する。
  • S-APPLに,取引専用PCがVPN確立後にアクセス可能なサーバとして,取引先向けWebサーバだけを設定する。
  • UTMのファイアウォール機能で,インターネットから取引先向けWebサーバへの通信を拒否するように設定する。

その後,H社では,S-APPLの導入,UTMの設定変更,DNSサーバの変更などを行い,新たな運用を開始した。

設問と解答・解説

設問1

〔DDoS攻撃に対する調査〕について答えよ。

(1)

表4中の a に入れる攻撃の例を,H社での攻撃対象を示して具体的に答えよ。

模範解答

公開Webサーバ,取引先向けWebサーバを攻撃対象に,HTTP GETリクエストを繰返し送る。

採点基準(配点 5点)

知識・理解度(内容)(3点)

  • 3: リモートワークや企業を狙うDDoS攻撃の対策を設計する目的に沿って、公開Webサーバおよび取引先向けWebサーバを攻撃対象とし、HTTP GETリクエストを繰り返す手法が過不足なく正確に記述されている。
  • 2: 攻撃対象または攻撃手法のいずれかの記載に若干の不足や不正確な点がある。
  • 1: 関連するキーワードは含まれるが、DDoS攻撃の具体例として内容が不十分である。
  • 0: 内容が全く見当違いか、無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: H社での攻撃対象と具体的な攻撃の例が、論理的に矛盾なく整理された文で構成されている。
  • 1: おおむね理解できる構造だが、表現にやや飛躍や曖昧さがある。
  • 0: 論理的な繋がりが不明確で、文意が通らない。

解説

解説

本設問は、与えられた環境下における DDoS攻撃 の具体的な手法とその攻撃対象についての理解を問うものです。H社における公開Webサーバ及び取引先向けWebサーバが対象となること、また、攻撃手法として HTTP GETリクエスト を繰り返すことを明記する必要があります。

高得点のポイント

  • 攻撃対象として 公開Webサーバ取引先向けWebサーバ の両方を挙げていること。
  • 攻撃手法として HTTP GETリクエスト を繰り返し送信する旨が明記されていること。

(2)

本文中の下線①の場合に発生する弊害を,25字以内で答えよ。

模範解答

正常な通信を異常として検知してしまう。

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: IPS機能の仕様を正確に理解し、正常な通信を異常として検知してしまうという弊害が明確に記述されている。
  • 1: 誤検知の弊害について触れられているが、正常な通信が対象であることの明示など一部要素が不足している。
  • 0: IPS機能の仕様を反対に理解しているなど、内容が不正確または無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 制限文字数内で簡潔かつ的確に表現されている。
  • 1: 意図は伝わるが、文のつながりや表現にやや難がある。
  • 0: 意味が通じない。

解説

解説

アノマリ型IPS機能におけるしきい値設定の弊害に関する問題です。しきい値を低く設定しすぎると、正常な通信 までも異常と判定してしまい、業務に支障をきたす恐れがあります。これを 誤検知(フォールスポジティブ) と呼びます。アノマリ型IPSの機能を正確に理解しているかが問われます。

高得点のポイント

  • 正常な通信 を対象としていることが明示されていること。
  • それらを 異常として検知 (または遮断)してしまうという結果が簡潔に記述されていること。

(3)

本文中の b に入れる適切な字句を,“DNS-F”又は“DNS-K”から選び答えよ。

模範解答

DNS-K

採点基準(配点 5点)

正確性(内容)(5点)

  • 5: 指定された字句「DNS-K」と完全一致している。
  • 2: 該当箇所を指し示そうとする意図は見えるが、スペルミスなどの誤記がある。
  • 0: 全く異なる字句が記述されているか、無解答。

解説

解説

DNSへの攻撃とその対策に関する問題です。本文の流れから、キャッシュポイズニングやDNS水責め攻撃への対応として、適切な機能を選択する必要があります。正解は DNS-K となります。

高得点のポイント

  • 指定された選択肢から正確に DNS-K を選択していること。

(4)

本文中の c に入れる適切な字句を,“DNS-F”又は“DNS-K”から選び答えよ。

模範解答

DNS-F

採点基準(配点 5点)

正確性(内容)(5点)

  • 5: 指定された字句「DNS-F」と完全一致している。
  • 2: 該当箇所を指し示そうとする意図は見えるが、スペルミスなどの誤記がある。
  • 0: 全く異なる字句が記述されているか、無解答。

解説

解説

DNSへの攻撃とその対策に関する問題です。前問と対になり、もう一方の適切な機能を選択します。正解は DNS-F となります。

高得点のポイント

  • 指定された選択肢から正確に DNS-F を選択していること。

設問1(2)は,正答率が高かった。アノマリ型IPS機能で,しきい値の設定に関する問題であったが,IPS機能の仕様を反対に理解していると思われる解答が散見された。機能は正確に理解してほしい。

設問2

〔対策V-1についての検討〕について答えよ。

(1)

表5中の d に入れる,不正な接続までの攻撃手順を,具体的に答えよ。

模範解答

攻撃者が,正規のVPNダイアログに利用者IDとパスワードを入力すると,正規利用者のスマートフォンにセキュリティコードが送信される。

採点基準(配点 5点)

知識・理解度(内容)(3点)

  • 3: 多要素認証を突破する仕組みを正確に理解し、攻撃者が正規のダイアログに入力することで正規利用者にコードが送信される手順が不足なく記述されている。
  • 2: 手順の大部分が含まれているが、誰がどこに入力するのか等、一部に不正確または不足している点がある。
  • 1: 関連するキーワードは含まれるが、攻撃手順としての内容が不十分である。
  • 0: 設問とは異なる攻撃について解答しているなど、内容が全く見当違いか、無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 攻撃者が入力し利用者にコードが届くという因果関係が矛盾なく明確に整理されている。
  • 1: おおむね理解できる構造だが、主語の省略などで表現にやや曖昧さがある。
  • 0: 論理的な繋がりが不明確で、文意が通らない。

解説

解説

多要素認証 を突破する攻撃手順についての問題です。攻撃者が不正に入手したIDとパスワードを用いて正規のVPNダイアログに入力すると、システムは正規利用者であると判断し、正規利用者のスマートフォンに セキュリティコード を送信します。攻撃の仕組みを正確に理解することが重要です。

高得点のポイント

  • 攻撃者が 正規のVPNダイアログ に利用者IDとパスワードを入力する手順が含まれていること。
  • その結果、正規利用者のスマートフォン にセキュリティコードが送信されることが明記されていること。

(2)

表5中の e に入れる,不正な接続までの攻撃手順を,具体的に答えよ。

模範解答

正規利用者が受信したセキュリティコードを,罠のWebサイトに入力すると,攻撃者がそれを読み取り,正規のセキュリティコード入力画面に入力することで認証される。

採点基準(配点 5点)

知識・理解度(内容)(3点)

  • 3: 利用者が罠サイトに入力し、攻撃者がそれを取得して正規画面に入力するという、多要素認証突破に必要な一連の手順が正確に記述されている。
  • 2: 手順の大部分が含まれているが、攻撃者が正規画面に入力するプロセスなど一部が不足している。
  • 1: 関連するキーワードは含まれるが、攻撃手順としての内容が不十分である。
  • 0: 設問とは異なる攻撃について解答しているなど、内容が全く見当違いか、無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 登場人物(攻撃者と利用者)の行動と事象の順序が論理的に整理されている。
  • 1: おおむね理解できる構造だが、行動の主体が曖昧など表現にやや難がある。
  • 0: 論理的な繋がりが不明確で、文意が通らない。

解説

解説

正規利用者のスマートフォンに届いたセキュリティコードを、攻撃者がどのようにして取得・利用するかを問う問題です。利用者をフィッシングなどの 罠のWebサイト に誘導し、入力されたコードを攻撃者が窃取して 正規の入力画面 に入力することで認証を突破します。中間者攻撃の手法についての正確な理解が必要です。

高得点のポイント

  • 正規利用者が受信したコードを 罠のWebサイト に入力してしまう手順が記述されていること。
  • 攻撃者がそれを読み取り、正規のセキュリティコード入力画面 に入力して認証される流れが含まれていること。

(3)

本文中の下線②について,注意喚起の内容を,具体的に答えよ。

模範解答

認証情報の入力は,受信したメール内のURLリンクをクリックして起動した画面には行わず,VPNダイアログにだけ行う。

採点基準(配点 5点)

知識・理解度(内容)(3点)

  • 3: リモートワークにおけるセキュリティ対策として、メール内のリンクを使わずVPNダイアログのみに入力するという対策が明確に記述されている。
  • 2: VPNダイアログに入力すること、またはメールのリンクを使用しないことのいずれか一方が欠けているが、主旨は捉えている。
  • 1: 一般的な注意喚起にとどまり、具体的な行動指示が不十分である。
  • 0: 内容が全く見当違いか、無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 利用者に対する具体的な注意喚起として適切に伝わる構造となっている。
  • 1: 意図は伝わるが、表現にやや曖昧さがある。
  • 0: 論理的な繋がりが不明確で、文意が通らない。

解説

解説

フィッシング攻撃への対策としての注意喚起内容を問う問題です。利用者がメールに記載された URLリンク からアクセスした偽サイトに情報を入力してしまうのを防ぐため、必ず正規の VPNダイアログ からのみ認証情報を入力するよう徹底させることが重要です。

高得点のポイント

  • メール内の URLリンク から起動した画面には入力しないよう注意していること。
  • 認証情報の入力先は VPNダイアログ に限定することが明記されていること。

設問2(1)は,正答率が平均的であった。多要素認証を突破する攻撃について問うたが,手順が不足している解答や,設問とは異なる攻撃についての解答が散見された。攻撃を正確に理解することによって,対策も立てやすくなるので,正確に理解してほしい。

設問3

〔対策V-3についての検討〕について答えよ。

(1)

本文中の下線③について,設定Pを突破する方法を,30字以内で答えよ。

模範解答

盗聴したパケットと同じ順番に通信要求を送信する。

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: リプレイ攻撃の手法として、盗聴したパケットを同じ順番で送信するという核心部分が正確に記述されている。
  • 1: 核心部分に触れているが、パケットの盗聴や順番の再現などの要素が一部不足している。
  • 0: 全く触れられていない、あるいは無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 簡潔かつ論理的に構成され、制限文字数内で突破手法が的確に表現されている。
  • 1: 意図は伝わるが、文のつながりや表現にやや難がある。
  • 0: 意味が通じない。

解説

解説

リプレイ攻撃(反射攻撃) によって、通信プロトコルの設定を突破する手法についての理解を問う問題です。通信経路上で パケットを盗聴 し、それらを全く同じ順番で再度送信することで、正規の通信要求であるかのように偽装します。

高得点のポイント

  • パケットを 盗聴 するという前提が記述されていること。
  • 盗聴したパケットを 同じ順番で送信 するという手法が明確にされていること。

(2)

本文中の下線④について,突破されないのはなぜか。40字以内で答えよ。

模範解答

SPAパケットはユニークであり,同じパケットを再利用すると破棄されるから

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: SPAパケットのユニーク性と、再利用時に破棄されるというメカニズムが正確に記述されている。
  • 1: メカニズムに触れているが、ユニーク性や破棄される結果のいずれかが不十分である。
  • 0: 全く触れられていない、あるいは無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 簡潔かつ論理的に構成され、制限文字数内で理由が的確に表現されている。
  • 1: 意図は伝わるが、文末が理由として結ばれていないなど表現にやや難がある。
  • 0: 意味が通じない。

解説

解説

SPA(Single Packet Authorization) パケットのセキュリティ特性に関する問題です。SPAパケットは1回限りの ユニークなパケット として生成されるため、攻撃者が盗聴したパケットを再送信(リプレイ)しても、サーバ側で無効と判断され 破棄 される仕組みになっています。

高得点のポイント

  • SPAパケットが ユニーク である(一度しか使えない)ことが示されていること。
  • 同じパケットを再利用しようとしても 破棄される という結果が記載されていること。

設問3(2)は,正答率が平均的であった。SPAというプロトコルに関して本文中に示して効果を問うた。内容を理解して解答してほしい。

設問4

(1)

本文中の下線⑤について,利用する外部のサービスを,20字以内で具体的に答えよ。

模範解答

DDoS対策機能を有するCDNサービス

クラウド型ファイアウォールサービス

ISPが提供するDDoS防御サービス

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: DDoS攻撃の対策として有効な外部サービス(CDN、クラウドWAF/FW、ISPの防御サービス等)が正確に挙げられている。
  • 1: 対策サービスに触れているが、名称が不正確または具体性に欠ける。
  • 0: 全く見当違いのサービスが挙げられているか、無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: サービスの名称として制限文字数内で簡潔に表現されている。
  • 1: 意図は伝わるが、表現にやや難がある。
  • 0: 意味が通じない。

解説

解説

DDoS攻撃に対する外部サービスの活用に関する問題です。DDoS攻撃のトラフィックを自社ネットワークの手前で吸収・無害化するためには、CDNサービスクラウド型ファイアウォール、あるいは ISPのDDoS防御サービス などの導入が有効です。

高得点のポイント

  • DDoS対策機能 を有するサービスであることが示されていること。
  • CDNクラウド型ファイアウォール、または ISPの防御サービス のいずれかが具体的に挙げられていること。

(2)

本文中の下線⑥について,軽減できる理由を,40字以内で答えよ。

模範解答

取引専用PC以外からの通信は取引先向けWebサーバに到達しないから

UTMの設定変更によって,ボットネットからの通信が遮断されるから

UTMの設定変更に伴って,外部からの接続対象サーバではなくなったから

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: 取引専用PC以外からの遮断やボットネット通信の遮断など、UTM設定変更によって通信が到達しなくなる理由が正確に記述されている。
  • 1: 理由の核心部分に触れているが、遮断の対象や結果の記述が一部不十分である。
  • 0: 全く触れられていない、あるいは無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 軽減できる理由として論理的であり、制限文字数内で的確に表現されている。
  • 1: 意図は伝わるが、文のつながりや表現にやや難がある。
  • 0: 意味が通じない。

解説

解説

UTM(Unified Threat Management)の設定変更によるDDoS攻撃の軽減理由を問う問題です。設定変更により、正規の 取引専用PC以外 からの通信や、攻撃元となる ボットネットからの通信 が遮断されるため、対象サーバに攻撃トラフィックが到達しなくなります。

高得点のポイント

  • 取引専用PC以外 からの通信、または ボットネットからの通信 が対象であることが示されていること。
  • それらが 遮断される (あるいは外部からの接続対象でなくなる)という結果が明確に記述されていること。