令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問2 SD-WAN導入とBGP/OSPFの経路設計
テクノロジネットワーク
この問題は2024(R6)春 ネットワークスペシャリスト 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
企業ネットワークへのSD-WAN導入を題材に、その基盤となるBGP・OSPFの経路制御を深掘りする問題です。as-override設定の前後で経路情報がどう変わるかを表で埋めさせるなど、プロトコルの動作を具体的な経路表レベルで追える力が要求されます。設問数が多いものの、現行網の設計意図を先に押さえれば個々の空欄は連鎖的に解けるため、この記事では設計の復元から始めてSD-WAN移行の判断までを通しで解説します。
この記事で押さえる論点
- as-override設定が経路情報に与える変化を表で追跡する
- OSPFのLSAタイプと経路再配布の動きを説明する
- SD-WANコントローラーの役割とIPsecトンネルの冗長設計を理解する
出題情報
- 出題
- 2024(R6)春 ネットワークスペシャリスト 午後I 問2
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
近年,SD-WANの企業ネットワークへの採用が進みつつある。SD-WAN技術の詳細は機器ベンダーによって違いがあるが,企業でSD-WANを導入して活用するには,SD-WANの動作原理やその基盤となっているIPネットワーク技術に関する理解が必要である。本問では,企業ネットワークへのSD-WAN導入を題材として,SD-WANに関する基本的な仕組みや,SD-WAN導入に当たって必要となるIPネットワーク設計と構築に必要となる基本的なスキルを問う。
問2では,企業ネットワークへのSD-WANの導入を題材に,SD-WAN技術とその基盤となっているIPネットワーク技術について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問2 SD-WANによる拠点接続に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
G社は,本社とデータセンター及び二つの支店をもつ企業である。G社では,業務拡大による支店の追加が計画されている。支店の追加によるネットワーク構成の変更について,SD-WANを活用することで,設定作業を行いやすくするとともにWANの冗長化も行うという改善方針が示された。そこで,情報システム部のJさんが設計担当としてアサインされ,対応することになった。G社の現行ネットワーク構成を図1に示す。

図の説明テキスト
図1 G社の現行ネットワーク構成(抜粋)を示す図。
データセンターはインターネットとL社 MPLS VPNに接続されている。
データセンター内にはFW、プロキシサーバ、L2SW、L3SW1、ルータ1、サーバ群が存在し、DMZと内部ネットワークのサブネットに分かれている。ルータ1からPE1を経由してL社 MPLS VPNに接続している。
本社にはルータ2、L3SW2、L2SW、PC群があり、ルータ2からPE2を経由してVPNに接続。
支店Vにはルータ3、L3SW3、L2SW、PC群があり、ルータ3からPE3を経由してVPNに接続。
支店Wにはルータ4、L3SW4、L2SW、PC群があり、ルータ4からPE4を経由してVPNに接続。
下部に略語(FW, L2SW, L3SW, PE, MPLS VPN)の説明と、破線がサブネットを示す注記がある。
〔現行ネットワーク概要〕
G社の現行ネットワーク概要を次に示す。
- G社には,データセンター,本社,支店V及び支店Wの四つの拠点がある。これらの拠点は,L社が提供するMPLS VPN(以下,L社VPNという)を介して相互に接続している。
- 各拠点のPCとサーバは,データセンターのプロキシサーバを経由してインターネットへアクセスする。
- データセンターのFWは,パケットフィルタリングによるアクセス制御を行っている。
- PE1〜4は,L社VPNの顧客のネットワークを収容するために設置した,プロバイダエッジルータ(以下,PEルータという)である。
- ルータ1〜4は,拠点間を接続する機器であり,L社のPEルータに対向するアエッジルータである。
- L社のPEルータは,G社との間のBGPピアにas-overrideを設定している。この設定によって,G社の複数の拠点で同一のAS番号を用いる構成が可能になっている。一般に,PEルータにおけるas-override設定の有無によって,経路情報交換の処理をする際にやり取りされる経路情報が異なったものとなる。例えば,本社のルータ2に届く支店Vの経路情報は,①as-override設定の有無で表1となる。②G社現行ネットワークで利用している各拠点のIPアドレスとAS番号を表2に示す。

図の説明テキスト
表1 本社のルータ2に届く支店Vの経路情報
| Prefix | AS PATH | |
|---|---|---|
| as-override 設定無し | a | 64500 65500 |
| as-override 設定有り | a | b |
注記 64500 は, L社 VPN の AS 番号である。

図の説明テキスト
表2 各拠点の IP アドレスと AS 番号一覧
| ネットワーク | IP アドレス | AS 番号 |
|---|---|---|
| データセンター | 10.1.0.0/16 | |
| DMZ | x.y.z.0/28 | c |
| 本社 | 10.2.0.0/16 | d |
| 支店 V | 10.3.0.0/16 | e |
| 支店 W | 10.4.0.0/16 | f |
注記 x.y.z.0 は, グローバルアドレスを示す。
〔現行の経路制御概要〕
G社の現行の経路制御の概要を次に示す。
- 拠点内は,OSPFによって経路制御を行っている。
- 拠点間は,BGP4によって経路制御を行っている。
- OSPFエリアは全てエリア0である。
- ルータ1〜4で二つのルーティングプロトコル間におけるルーティングを可能にするために,経路情報の イ をしている。このとき,一方のルーティングプロトコルで学習された経路がもう一方のルーティングプロトコルを介して③再び同じルーティングプロトコルに渡されることのないように経路フィルターが設定されている。
- 全拠点からインターネットへのhttp/https通信ができるように, ウ のサブネットを宛先とする経路をOSPFで配布している。この経路情報は,途中BGP4を経由して,④3拠点(本社,支店V,支店W)のルータ及びL3SWに届く。
- BGP4において,AS内部の経路交換はiBGPが用いられるのに対し,各拠点のルータとPEルータとの経路交換では エ が用いられる。
- L社VPNと接続するために,AS番号65500が割り当てられている。このAS番号はインターネットに接続されることのないASのために予約されている番号の範囲に含まれる。このようなAS番号を オ AS番号という。
- L社VPNのAS番号は64500である。
〔SD-WAN導入検討〕
Jさんは,SD-WANを取り扱っているネットワーク機器ベンダーK社の技術者に相談しながら検討することにした。また,K社がインターネット経由でクラウドサービスとして提供しているSD-WANコントローラーの活用を検討することにした。
K社のSD-WAN装置とSD-WANコントローラーの主な機能を次に示す。
- SD-WANコントローラーは,SD-WAN装置に対して独自プロトコルを利用して,オーバーレイ構築に必要な情報の収集と配布を行うことで,複数のSD-WAN装置を集中管理する。
- アンダーレイネットワークとして,MPLS VPNとインターネット回線が利用可能である。
- オーバーレイネットワークは,SD-WAN装置間のIPsecトンネルで構築される。IPsecトンネルの確立ではSD-WAN装置のIPアドレスが用いられる。IPsecトンネルの端点をTE(Tunnel Endpoint)と呼ぶ。
- オーバーレイネットワークは,アプリケーショントラフィックを識別したルーティングを行う。このように,アプリケーショントラフィックを識別したルーティングを カ ルーティングという。
- SD-WANコントローラーがSD-WAN装置に配布する主な情報は,SD-WAN装置ごとのオーバーレイの経路情報と,⑤IPsecトンネルを構築するために必要な情報の2種類がある。
- SD-WANコントローラーとSD-WAN装置間の通信はTLSで保護される。
- SD-WAN装置は,VRF (Virtual Routing and Forwarding) による独立したルーティングインスタンス(以下,RIという)を複数もつ。そのうちの一つのRIはコントロールプレーンで用いられ,他のRIはデータプレーンで用いられる。
- SD-WAN装置は,RFC 5880で規定されたBFD (Bidirectional Forwarding Detection) 機能を有する。
Jさんは,K社のSD-WANをG社ネットワークへ導入する方法を検討し,実施する項目として次のとおりポイントをまとめた。
- 各拠点のルータをK社の提供するSD-WAN装置に置き換える。各拠点のSD-WAN装置を2台構成とする冗長化は次フェーズで検討する。
- SD-WAN装置の設定については,K社がクラウドサービスとして利用者に提供するSD-WANコントローラーで集中管理する。
- 拠点ごとに新規にインターネット接続回線を契約し,SD-WAN装置に接続する。
- 拠点のSD-WAN装置間に,インターネット経由とL社VPN経由でIPsecトンネルを設定する。
- ⑥拠点のSD-WAN装置のトンネルインタフェースで,BFDを有効化する。
- 全体的な経路制御はSD-WANコントローラーとSD-WAN装置で行う。
- PCからインターネットへのアクセスは現行のままデータセンターのプロキシサーバ経由とし,各拠点から直接インターネットアクセスできるようにすることは次フェーズで検討する。
Jさんが検討した,G社のSD-WAN装置導入後のネットワーク構成を図2に示す。

図の説明テキスト
図2 G社の SD-WAN 装置導入後のネットワーク構成(抜粋)。上部に「K社 SD-WAN コントローラー」があり、インターネットを介してデータセンター、本社、支店V、支店Wの各 SD-WAN 装置(1〜4)と結ばれている。また、「L社 MPLS VPN」の網内には PE1 から PE4 までのルータがあり、データセンターの FW、および各拠点の SD-WAN 装置に接続されている。データセンター内には DMZ(L2SW、プロキシサーバを含む)、FW、SD-WAN装置1、L3SW1、L2SW、サーバ群が配置されている。本社には SD-WAN装置2、L3SW2、PCが、支店Vには SD-WAN装置3、L3SW3、PCが、支店Wには SD-WAN装置4、L3SW4、PCが配置されている。
〔SD-WAN トンネル検討〕
Jさんは,図2のネットワーク構成におけるSD-WAN装置間のIPsecトンネルの構成について検討した。Jさんが考えたSD-WAN装置間のIPsecトンネルの構成を図3に示す。

図の説明テキスト
図3 Jさんが考えた SD-WAN 装置間の IPsec トンネルの構成。4つの SD-WAN 装置(1〜4)間の接続詳細図。各装置は GE2 ポートで LAN 側(データセンター LAN、本社 LAN、支店V LAN、支店W LAN)と接続している。GE0 は実線で示される「IPsec トンネル (L社 VPN)」用、GE1 は破線で示される「IPsec トンネル (インターネット)」用のインタフェースとして描かれている。各ポート内には複数の Tunnel Endpoint (TE) が定義されており(例: SD-WAN装置1のGE0にはTE012, TE013, TE014)、これらが他拠点の対応する TE と実線・破線を用いて複雑に結ばれ、トンネルを形成している。下部に凡例があり、実線・破線の意味と、GE (Gigabit Ethernet インタフェース)、TE (Tunnel Endpoint) の略語説明が記載されている。
Jさんは,このIPsecトンネルの構成を前提として,今後設計するSD-WANの動作を次のようにまとめた。
- SD-WANコントローラーは,各拠点のSD-WAN装置から経路情報を受信し,それらにポリシーを適用して,全拠点のSD-WAN装置に経路情報をアドバタイズする。
- このときアドバタイズされる経路情報は,SD-WAN装置にローカルに接続されたネットワーク情報とそれぞれのSD-WAN装置がもつTE情報である。
- 拠点間の通信は,⑦L社VPNを優先的に利用し,L社VPNが使えないときはインターネットを経由する。
Jさんは,これらの検討結果を基に報告を行い,SD-WAN導入の方針が承認された。
設問と解答・解説
設問1
(1)
ア に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
カスタマー
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
企業ネットワークと通信事業者のネットワークの境界に配置されるルータのうち、顧客(カスタマー)側に配置される機器を CE(Customer Edge) ルータと呼びます。
高得点のポイント
- [正確性] 「カスタマー」という用語を正確に記述できること。
(2)
イ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
再配布
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
異なるルーティングプロトコル間で経路情報をやり取りし、相互に変換して再送信する仕組みを 経路の再配布 (Redistribution)と呼びます。
高得点のポイント
- [正確性] 「再配布」という用語を正確に記述できること。
(3)
ウ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
DMZ
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
インターネットなどの外部ネットワークに公開するサーバを配置し、内部ネットワークから隔離されたセキュリティ領域を DMZ (DeMilitarized Zone:非武装地帯)と呼びます。
高得点のポイント
- [正確性] 「DMZ」という用語を正確に記述できること。
(4)
エ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
eBGP
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
異なるAS(Autonomous System)間で経路情報を交換するために使用されるBGPの接続方式を eBGP (External BGP)と呼びます。
高得点のポイント
- [正確性] 「eBGP」という用語を正確に記述できること。
(5)
オ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
プライベート
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
組織内のネットワークなど、インターネットから直接アクセスされない閉じられた環境で一意であればよいIPアドレスを プライベート IPアドレスと呼びます。
高得点のポイント
- [正確性] 「プライベート」という用語を正確に記述できること。
(6)
カ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
ポリシーベース
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
宛先IPアドレスだけでなく、送信元IPアドレスやアプリケーションプロトコルなどの条件に基づいて柔軟に経路を選択する仕組みを ポリシーベース ルーティング(PBR)と呼びます。
高得点のポイント
- [正確性] 「ポリシーベース」という用語を正確に記述できること。
設問2
〔現行ネットワーク概要〕について答えよ。
(1)
模範解答
10.3.0.0/16
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
BGPにおいてas-override機能が動作する前後での経路情報の変化を問う設問です。
該当する経路情報はプレフィックスベースで管理されるため、対象となるネットワークのプレフィックスである 10.3.0.0/16 が入ります。
高得点のポイント
- [正確性] プレフィックスを正確に記述できること。
(2)
模範解答
64500 64500
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
as-override機能は、プロバイダ側でカスタマーASのAS番号を自身のAS番号に置き換えて経路を広告する機能です。
これにより、AS-PATHリスト内に元のAS番号が重複して記録されているかのような 64500 64500 といったパス情報が確認できます。
高得点のポイント
- [正確性] 置き換えられたAS番号の連続を正確に記述できること。
(3)
本文中の下線②について,G社現行ネットワークで用いられているAS番号は何か。
模範解答
模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 該当するAS番号が正確に記述されている。
- 1点: AS番号に軽微な記載ミスがある。
- 0点: 無解答、または全く異なるAS番号が記述されている。
解説
G社の現行ネットワークを構成するBGPのAS番号を問う設問です。
システム構成や経路広告の仕様から、G社が使用しているAS番号を特定します。
高得点のポイント
- [正確性] 該当するAS番号を正確に記述できること。
(4)
模範解答
65500
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
BGPのAS-PATH属性に関する設問です。
カスタマーエッジからプロバイダ網を経由して経路が伝播する際、自組織のAS番号である 65500 が付与されることを理解しているかが問われます。
高得点のポイント
- [正確性] AS番号を正確に記述できること。
(5)
模範解答
65500
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
BGPのAS-PATH属性における経路伝播の仕組みを問う設問です。
伝播される経路には送信元となるAS番号 65500 が正しく記録されます。
高得点のポイント
- [正確性] AS番号を正確に記述できること。
(6)
模範解答
65500
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
AS-PATH属性の付与ルールに関する設問です。
該当する経路情報に対しても、同様にAS番号 65500 が付与されます。
高得点のポイント
- [正確性] AS番号を正確に記述できること。
(7)
模範解答
65500
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
AS-PATH属性の付与ルールに関する設問です。
該当する経路情報に対しても、同様にAS番号 65500 が付与されます。
高得点のポイント
- [正確性] AS番号を正確に記述できること。
設問3
〔現行の経路制御概要〕について答えよ。
(1)
本文中の下線③について,経路フィルターによって防止することが可能な障害を20字以内で答えよ。
模範解答
ルーティングループによる障害
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(1点)
- 1点: 相互再配布による障害の根本原因がルーティングループであることを明記している。
- 0点: ルーティングループに関する記述がない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 障害の内容が文意の通る形で簡潔にまとまっている。
- 0点: 文意が不明瞭である。
解説
OSPFとBGPなど、複数のルーティングプロトコル間で双方向に再配布を行う場合のリスクに関する設問です。
経路情報を互いに再配布し合うことで、一度広告した経路が別ルートから再び戻ってきてしまう ルーティングループ が発生する可能性があります。
高得点のポイント
[知識・理解度] 相互再配布による障害の根本原因がルーティングループであることを明記している。
[論理性] 20字以内という制限内で、障害の内容を簡潔に表現している。
(2)
本文中の下線④について,3拠点のL3SWにこの経路情報が届いたときのOSPFのLSAのタイプを答えよ。
模範解答
Type5
外部LSA
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
OSPFにおけるLSA(Link State Advertisement)のタイプに関する設問です。
BGPなどの外部ルーティングプロトコルからOSPFドメインに再配布された経路情報は、ASBRによって Type5(AS外部LSA) として生成され、フラッディングされます。
高得点のポイント
- [正確性] LSAのタイプを正確に特定し記述できること。
(3)
本文中の下線④について,支店VのL3SW3にこのLSAが到達したとき,そのLSAを生成した機器は何か。図1中の機器名で答えよ。
模範解答
ルータ3
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 正解の字句と完全に一致している。
- 1点: 正解の字句とほぼ一致しているが、わずかな表記揺れがある。
- 0点: 無解答、または全く異なる字句が記述されている。
解説
OSPFネットワーク内で外部LSA(Type5)を生成する機器(ASBR:AS Boundary Router)を特定する設問です。
BGPから経路を受け取り、OSPF側に再配布している境界の機器である ルータ3 が該当します。
高得点のポイント
- [正確性] 該当する機器名を正確に記述できること。
設問3では,(2)の正答率が低かった。OSPFにおける経路情報交換の基本的な仕組みを正しく理解していない受験者が多いと推察される。OSPFがどのようにLSAを交換して経路表を作るかという動作の仕様や各LSAの役割などについては,OSPFの基本事項なので,しっかりと理解してほしい。
設問4
〔SD-WAN導入検討〕について答えよ。
(1)
本文中の下線⑤について,SD-WANコントローラーから送られる情報を二つ挙げ,一つ目を25字以内で答えよ。
模範解答
IPsecトンネル確立のためのIPアドレス
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(1点)
- 1点: トンネルエンドポイントの特定にIPアドレスが必要であることを明記している。
- 0点: IPアドレスに関する記述がない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 提供される情報として文意が通る形で記述されている。
- 0点: 文意が不明瞭である。
解説
SD-WAN環境において、各拠点のルータがIPsecトンネルを動的に確立するためにSD-WANコントローラーから提供される情報に関する設問です。
トンネルの対向先となる機器の IPアドレス が不可欠です。
高得点のポイント
- [知識・理解度] トンネルエンドポイントを特定するためのIPアドレス情報が必要であることを理解している。
(2)
本文中の下線⑤について,SD-WANコントローラーから送られる情報を二つ挙げ,二つ目を25字以内で答えよ。
模範解答
IPsecトンネル確立のための鍵情報
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(1点)
- 1点: 暗号化通信の確立に鍵情報が必須であることを明記している。
- 0点: 鍵情報に関する記述がない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 提供される情報として文意が通る形で記述されている。
- 0点: 文意が不明瞭である。
解説
SD-WAN環境において、IPsecトンネルの確立に必要なもう一つの重要な情報に関する設問です。
IPsecでは暗号化通信を行うため、IKEなどのフェーズで用いられる 鍵情報 (事前共有鍵など)をコントローラー経由で安全に配布する必要があります。
高得点のポイント
- [知識・理解度] 暗号化通信の確立に鍵情報が必須であることを理解している。
(3)
本文中の下線⑥について,トンネルインタフェースにBFDを設定する目的を,“IPsecトンネル”という用語を用いて35字以内で答えよ。
模範解答
IPsecトンネルに障害があった場合の検出を高速にする。
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(1点)
- 1点: BFDの目的が障害検出の高速化であることを明記している。
- 0点: 障害検出の高速化に関する記述がない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 指定用語を適切に使用し、目的が明確に記述されている。
- 0点: 文意が不明瞭である。
解説
トンネルインタフェースにおけるBFD(Bidirectional Forwarding Detection)の役割に関する設問です。
通常のルーティングプロトコルのキープアライブやHelloパケットによる障害検知は数秒〜数十秒の時間がかかります。
BFDを使用することで、ミリ秒単位での死活監視が可能となり、 IPsecトンネル における通信障害を極めて迅速に検出してバックアップ経路へ切り替えることができます。
高得点のポイント
[知識・理解度] BFDの主要な目的が「障害検出の高速化」であることを明記している。
[論理性] 指定用語である「IPsecトンネル」を正しく文脈に組み込んでいる。
設問4では,(2)の正答率が低かった。BFDのような障害検知のための技術はネットワークを安定的に稼働させるために役に立つ技術である。障害検知の手法や関連知識を広く身に付けておくことは重要である。
設問5
〔SD-WANトンネル検討〕について答えよ。
(1)
本文中の下線⑦について,通常時に本社のPCから支店VのPCへの通信が通過するTEはどれか。図3中の字句で全て答えよ。
模範解答
TE023,TE032
採点基準(配点 6点)
正確性(内容)(6点)
- 6点: 指定された経路が全て正確に記述されている。
- 3点: 指定された経路のうち、一部のみが正確に記述されている。
- 0点: 無解答、または全く異なる経路が記述されている。
解説
SD-WANにおけるトラフィックエンジニアリング(TE)トンネルの正常時の経路選択に関する設問です。
設計要件や構成図に基づき、本社から支店Vへの通常時の通信がどの経路(トンネル)を通過するかを特定します。
正解は TE023 および TE032 となります。
高得点のポイント
- [正確性] 指定された複数の経路を全て正確に記述できること。
(2)
(1)において支店VのL社VPN接続回線に障害があった場合,本社のPCから支店VのPCへの通信が通過するTEはどれか。図3中の字句で全て答えよ。
模範解答
TE123,TE132
採点基準(配点 6点)
正確性(内容)(6点)
- 6点: 指定された経路が全て正確に記述されている。
- 3点: 指定された経路のうち、一部のみが正確に記述されている。
- 0点: 無解答、または全く異なる経路が記述されている。
解説
指定された回線に障害が発生した場合の、SD-WANによる動的な経路切り替え(フェイルオーバー)後の経路を問う設問です。
メイン回線の障害時にはバックアップ回線を経由するTEトンネルが選択されます。
正解は TE123 および TE132 となります。
高得点のポイント
- [正確性] 指定された複数の経路を全て正確に記述できること。