令和7年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後II 問題 問1 人間的側面に着目したチーム育成計画(論文)

マネジメントステークホルダー・要員

この問題は2025(R7)秋 プロジェクトマネージャ 午後IIに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・数式・図表参照の調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

学習ガイド

システム開発プロジェクトにおけるチームの育成計画を、技術面ではなく人間的側面から論じる午後Ⅱの問題です。模範解答は公表されないため、講評から要求水準を読み取ります。技術スキルの育成だけを書いた答案や、コミュニケーション改善止まりで計画と呼べない答案が課題とされており、動機付けやチームワーク醸成を計画として設計し、定量・定性の情報で実行を評価した過程まで書くことが合格答案の条件になります。

この記事で押さえる論点

  • チームの不健全な状態とその人間的側面の要因を具体的に描く
  • 動機付け・チームワーク醸成を軸にした育成計画を論述する
  • 育成計画の実行過程の問題と解決、目標達成への貢献を述べる

問題本文

システム開発プロジェクトにおけるチームの育成計画について

システム開発プロジェクトでは,その目標を達成するために,メンバーの開発経験や技術スキルといった技術的側面とは別に,メンバーに対する動機付けやチームワークの醸成などの人間的側面に着目したチームの育成計画を作成する。

異なる慣習や価値観をもつメンバーによるチーム編成,プロジェクト開始直前の急なメンバー交代などの,人間的側面での背景や事象によって,メンバーやチームが次のような不健全な状態になると想定された場合,目標の達成が危ぶまれる。

  • メンバーが相互に支援したり,協力したりする意思や姿勢が見られない。
  • チーム内での議論がかみ合わず,チームとしての一体感が不足していると感じたり,士気が上がらなかったりするメンバーが多い。

このような状態になることを避けて,次のような健全な状態を目指すために,人間的側面に着目したチームの育成計画を作成して,実行する必要がある。

  • メンバー間の協力によって問題解決や意思決定ができており,チーム内のコンフリクトも建設的に解消できている。
  • メンバー間の信頼関係が構築され,チームの一体感や士気が保たれている。

そして,チームの育成計画を実行する過程で発生した問題に対して,適切な解決策を策定して実行することで,プロジェクトの目標を達成する。

あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問と解答・解説

設問ア

あなたが携わったシステム開発プロジェクトの目標,目標の達成が危ぶまれると考えたメンバーやチームの想定された不健全な状態,その状態を引き起こすと考えた人間的側面での背景や事象について,400字以上800字以内で述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 34点)

知識・理解度(内容)(18点)

  • 18: プロジェクトの目標、想定された不健全な状態、その原因となる人間的側面での背景や事象が漏れなく極めて具体的に論述されている。
  • 14: プロジェクトの目標、想定された不健全な状態、その原因となる人間的側面の背景や事象が具体的に論述されている。
  • 9: プロジェクトの目標、不健全な状態、人間的側面の背景などが論述されているが、一部具体性に欠ける。
  • 4: プロジェクトの目標や不健全な状態などの論述が不十分である、または人間的側面に十分着目できていない。
  • 0: 未記載、または設問の要求を全く満たしていない。

説得力(考察)(16点)

  • 16: 不健全な状態と人間的側面の背景・事象との因果関係が、実際の経験に基づき非常に説得力を持って論理的に説明されており、技術的側面への偏りが全くない。
  • 12: 不健全な状態と人間的側面の背景・事象との因果関係が論理的に説明されており、概ね人間的側面に着目できている。
  • 8: 因果関係が説明されているが、論理の飛躍があるか、技術的側面の背景がやや混在している。
  • 4: 因果関係の説明が不明確であるか、人間的側面ではなく技術的側面に関する背景・事象に終始している。
  • 0: 未記載、または全く関係のない記述となっている。

解説

設問のねらい システム開発プロジェクトにおいて、技術的側面だけでなく 人間的側面 に着目したチームの育成計画の前提となる、チームの現状分析能力を問う問題です。

高得点のポイント

・プロジェクトの目標が具体的に示されていること。 ・目標達成を危ぶませる 不健全な状態 が具体的に記述されていること。 ・その不健全な状態を引き起こす原因を、技術スキル不足などではなく、メンバーの動機付けチームワークの醸成不足 といった 人間的側面の背景や事象 として深く分析していること。

設問イ

設問アで述べた不健全な状態になることを避けて,あなたが目指したメンバーやチームの健全な状態とその状態を目指した理由,人間的側面に着目して作成したチームの育成計画について,あなたが工夫したことを含めて,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 33点)

知識・理解度(内容)(17点)

  • 17: 目指した健全な状態とその理由、人間的側面に着目したチームの育成計画が、設問アの課題を踏まえて漏れなく極めて具体的に記述されている。
  • 13: 目指した健全な状態とその理由、人間的側面に着目したチームの育成計画が具体的に記述されている。
  • 8: 目指した健全な状態や育成計画について記述されているが、一部具体性に欠けるか、設問アの内容との関連性が弱い。
  • 4: 目指した状態や育成計画の記述が不十分であるか、人間的側面の育成計画になっていない。
  • 0: 未記載、または設問の要求を全く満たしていない。

説得力(考察)(16点)

  • 16: 育成計画に取り入れた工夫が非常に実践的で、単なるコミュニケーション改善にとどまらず、定量的・定性的な情報を用いた人間的側面の育成として極めて高い説得力を持つ。
  • 12: 育成計画に取り入れた工夫が記載され、人間的側面の育成として十分に説得力がある。
  • 8: 育成計画における工夫が記載されているが、一般的なコミュニケーション改善に近い内容であり、説得力にやや欠ける。
  • 4: 工夫の記載がないか、技術的側面の育成方法に終始しており、人間的側面の育成計画としての説得力がない。
  • 0: 未記載、または全く関係のない記述となっている。

解説

設問のねらい 設問アで特定した課題に対し、人間的側面 に着目した具体的な チームの育成計画 を立案し、その際の工夫を説明する実践能力を評価します。

高得点のポイント

・目指した 健全な状態 とその理由が、設問アの不健全な状態と対応して明確に記載されていること。 ・人間的側面 に着目した育成計画であることが明記されており、技術的側面の育成計画や単なるコミュニケーションの改善にとどまっていないこと。 ・計画の作成において、どのような工夫(定量的な情報や定性的な情報の活用など)を取り入れたかが、実経験に基づいて具体的に論述されていること。

設問ウ

設問イで述べた育成計画を実行した過程で発生した問題と解決策,及び育成計画の実行結果がプロジェクトの目標達成にどのように貢献したかについて,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 33点)

知識・理解度(内容)(17点)

  • 17: 育成計画を実行する過程で発生した問題と解決策が、実体験に基づき極めて具体的に記述されている。
  • 13: 育成計画を実行する過程で発生した問題と解決策が具体的に記述されている。
  • 8: 問題と解決策が記述されているが、具体性にやや欠ける。
  • 4: 問題と解決策の記述が不十分であるか、育成計画の実行過程から逸脱している。
  • 0: 未記載、または設問の要求を全く満たしていない。

説得力(考察)(16点)

  • 16: 解決策の実行結果がプロジェクトの目標達成にどう貢献したかが、定量・定性情報の活用等も含め、非常に説得力を持って論述されている。
  • 12: 実行結果とプロジェクトの目標達成への貢献が、明確な因果関係を持って論理的に論述されている。
  • 8: 実行結果が目標達成にどう貢献したか論述されているが、論理の飛躍があるか、説得力にやや欠ける。
  • 4: 実行結果と目標達成への貢献に関する因果関係が不明確である、または論述が不十分である。
  • 0: 未記載、または全く関係のない記述となっている。

解説

設問のねらい 立案した育成計画を実行する過程でのトラブル対応(問題と解決策)、およびその結果が プロジェクトの目標達成 にどう寄与したかを評価します。

高得点のポイント

・育成計画の実行過程で発生した問題と、それに対する 解決策 が具体的に記述されていること。 ・問題解決の過程において、QCDや勤務実績などの 定量的な情報 や、面談等で得た 定性的な情報 を活用した評価・改善のプロセスが含まれているとなお良い。 ・育成計画の実行結果が、最終的に プロジェクトの目標達成 にどのように貢献したかが、明確な因果関係とともに論理的に説明されていること。