令和3年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4
図のネットワークで,数字は二つの地点間で同時に使用できる論理回線の多重度を示している。X地点からY地点までには同時に最大幾つの論理回線を使用することができるか。

図の説明テキスト
ネットワーク構成図。ノードX, A, B, C, D, E, F, G, Yがあり、各ノード間は線で結ばれ、数値が付与されている。
接続関係と数値:
- X-A: 4, X-B: 4, X-C: 3
- A-B: 2, A-D: 1
- B-C: 1, B-D: 2, B-E: 3
- C-F: 4
- D-E: 2, D-Y: 3
- E-F: 2, E-G: 4, E-Y: 3
- F-G: 3
- G-Y: 6
解答・解説
正解: ウ. 10
図で示されたネットワークにおいて、X地点からY地点までの最大の通信量(多重度)を求める問題です。このような問題は最大フロー最小カットの定理を用いて解くことができます。ネットワークをXを含む側とYを含む側に分断する「カット」をいくつか考え、その境界をまたぐ回線の多重度の合計が最も小さくなる箇所(ボトルネック=最小カット)を見つけることで、通信可能な最大数(最大流量)を導出できます。
いくつかカットの候補を計算してみます。
- Xの直後で分断した場合({X} と {A, B, C, D, E, F, G, Y} の間):
境界をまたぐ回線は X-A (4)、X-B (4)、X-C (3) で、合計は です。 - Yの直前で分断した場合({X, A, B, C, D, E, F, G} と {Y} の間):
境界をまたぐ回線は D-Y (3)、E-Y (3)、G-Y (6) で、合計は です。 - {X, A, B, C} と {D, E, F, G, Y} の間で分断した場合:
境界をまたぐ回線は以下の4つです。- A-D (多重度: 1)
- B-D (多重度: 2)
- B-E (多重度: 3)
- C-F (多重度: 4)
これらの合計は となります。
他のどの分け方をしても境界をまたぐ回線の合計は10より小さくならないため、ネットワーク全体のボトルネック(最小カット)は 10 となります。
したがって、X地点からY地点まで同時に使用できる論理回線の最大数は 10 となり、正解は ウ です。
各選択肢の解説
- ア (8): XからYへは同時に10の論理回線を使用できる経路が存在するため、最大数ではありません。
- イ (9): アと同様に、同時に10の論理回線を使用できる経路が存在するため、最大数ではありません。
- ウ (10): 正解です。
- エ (11): Xからの出力合計()に等しいですが、途中の経路(A-D, B-D, B-E, C-F を結ぶ境界)が最大でも10までしか通せないため、11の回線を同時に使用することはできません。