令和4年度 春期 午前Ⅰ 問題【共通】 問5

プロセッサ数と,計算処理におけるプロセスの並列化が可能な部分の割合とが,性能向上へ及ぼす影響に関する記述のうち,アムダールの法則に基づいたものはどれか。

解答・解説

正解: ウ. 並列化できない計算処理がある場合,速度向上比は,プロセッサ数を増やしてもある水準に漸近的に近づく。

アムダールの法則は、システムの一部を並列化して高速化した場合、システム全体の性能向上がどの程度になるかを示す法則です。

並列化できる処理の割合を pp (0≤p≤10 \le p \le 1)、プロセッサ数を nn とした場合、システム全体の速度向上比は以下の数式で表されます。

速度向上比=1(1−p)+pn 速度向上比 = \frac{1}{(1-p) + \frac{p}{n}}

この数式から、並列化できない処理(割合 1−p1-p)が存在する場合、プロセッサ数 nn を無限に増やしたとしても pn\frac{p}{n} が 00 に近づくだけであり、全体の速度向上比は 11−p\frac{1}{1-p} というある水準に漸近的に近づくことがわかります。

各選択肢の解説

  • ア: 誤り。全ての計算処理が並列化できる場合(p=1p = 1)、速度向上比は nn となり、プロセッサ数に比例して増加します。
  • イ: 誤り。並列化できない計算処理がある場合、速度向上比はプロセッサ数に比例して増加するのではなく、ある水準(上限)に漸近的に近づきます。
  • ウ: 正解。アムダールの法則が示す通り、並列化できない部分が存在すると、プロセッサ数を増やしても速度向上比はある水準に漸近的に近づきます。
  • エ: 誤り。並列化できる計算処理の割合が増えるほど、全体の速度向上比は増加します。プロセッサ数に反比例して減少することはありません。

Spineチーム