管理業務主任者試験の合格点推移と目標得点:何問正解すれば受かるのか
管理業務主任者試験の合格基準点は、年度によって異なります。この記事では、試験実施機関が公表した近年の合格基準点と合格率を確認し、「何問を目標に、どの分野で何問取るか」を逆算します。
合格基準点の決め方は公表されていません。本記事では、公表された結果から観察できる範囲だけを扱います。
近年の合格基準点・合格率の推移
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | 合格基準点(50問中) |
|---|---|---|---|---|
| 平成28年度(2016) | 16,952人 | 3,816人 | 22.5% | 35問 |
| 平成29年度(2017) | 16,950人 | 3,679人 | 21.7% | 36問 |
| 平成30年度(2018) | 16,249人 | 3,531人 | 21.7% | 33問 |
| 令和元年度(2019) | 15,591人 | 3,617人 | 23.2% | 34問 |
| 令和2年度(2020) | 15,667人 | 3,739人 | 23.9% | 37問 |
| 令和3年度(2021) | 16,538人 | 3,203人 | 19.4% | 35問 |
| 令和4年度(2022) | 16,217人 | 3,065人 | 18.9% | 36問 |
| 令和5年度(2023) | 14,652人 | 3,208人 | 21.9% | 35問 |
| 令和6年度(2024) | 14,850人 | 3,159人 | 21.3% | 38問 |
| 令和7年度(2025) | 14,435人 | 2,832人 | 19.6% | 36問 |
令和7年度の試験の一部免除者(マンション管理士試験の合格者。45問で受験)の合格基準点は、45問中31問正解でした。
推移から読み取れること
この10回の合格基準点は33〜38問、合格率は18.9〜23.9%でした。直近の令和7年度は36問・19.6%ですが、翌年度も同じ基準になるとは限りません。
表を並べると、合格基準点が高い年と、合格しにくい年は一致していません。令和6年度は合格基準点38問とこの期間で最も高い一方、合格率は21.3%でした。平成30年度は33問と最も低い一方、合格率は21.7%です。合格基準点の高さは、その回の受験者全体の得点の高さを映したものと見るのが自然で、「今年は基準点が下がりそうだから35問でよい」という予測による目標の立て方には根拠を持てません。
ここから導かれる結論は2つです。
- 練習上の目標を38問に置く。 これは公式な推奨点ではなく、上の表の最も高い合格基準点を下回らないように置いた、Spine 独自の学習目標です。
- 基本問題の取りこぼしを記録する。 難問を解くことより、根拠を説明して切れた選択肢を増やす方針を取ります。
38問の内訳 — 分野別の目標配分
分野別出題分析の6分野(Spine の分類)で、令和5〜7年度の出題数をもとに38問を割り付けると、次のような目標になります。
| 分野 | 令和5〜7年度の出題数 | 目標 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 区分所有法・標準管理規約 | 14〜16問 | 11〜12問 | 最大の分野。法律の規定と規約のひな形を対にして固める |
| 建物・設備の維持保全 | 12問 | 8〜9問 | 法令・技術・長期修繕計画の3系統。範囲が広く、取りこぼしを前提に置く |
| 管理委託契約・管理実務 | 7問 | 6問 | 標準管理委託契約書と滞納管理費の回収。読む対象が閉じている |
| 民法・その他の法令 | 5〜8問 | 5問 | テーマが分散する。時効・相続など、他の分野の問題にも入る論点から |
| マンション管理適正化法 | 6問 | 5問 | 毎回同じ規模で出る。重要事項説明・業務規制を条文の要件まで |
| 管理組合の会計・税務 | 3〜4問 | 3問 | 仕訳は10回すべてに出ている |
合計で38〜40問です。これは合格を保証する配分ではなく、過去の出題数から作った練習目標です。区分所有法・標準管理規約で満点を前提にせず、委託契約・適正化法・会計のように範囲の閉じた分野にも得点源を分散しています。
区分所有法は2026年4月施行の改正で、集会の招集・決議、共用部分の変更、規約の変更などの規定が改められました。過去問の正解・解説は出題年度の4月1日時点の法令に基づくので、この分野の過去問は現行の規定とあわせて確かめてください。
「2択まで絞って外す」を数えていますか
四肢択一の失点は、知識がまったく無い問題だけでなく、「2択まで絞って外した」問題でも積み上がります。誤答の記録で、2択まで絞って外した問題が1回分で5問あれば、それはそのまま5問の失点です。また、本番で正解を含む2択まで絞れたものの決めきれない問題が5問あり、どちらかを等確率で選ぶと仮定すると、期待値でおよそ2.5問を失う計算になります。2択を根拠で切れる知識に変えれば、この分を取り戻せます。
「2択で外す」の多くは、似た規定の混同から生まれます。管業では、区分所有法の規定と標準管理規約の定めを同じ問題の中で問う問題があり(10回で11問)、集会と総会の招集・決議の要件のように、法律と規約のひな形で似た規定が並ぶ組み合わせがあります。法律が決めていることと、規約のひな形が具体化していることを、表にして並べて覚えてください。
対策は、選択肢を「なんとなく」ではなく根拠を言えて切る訓練です。管理業務主任者試験の過去問は、登録なしでその場で正誤判定と解説を読みながら解けます。自分の「外し方の癖」を知ることが、得点戦略の第一歩です。
出典