令和3年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後II 問題 問1 STPからRSTP・スタック構成への社内ネットワーク移行とFW更改
学習ガイド
建設会社の社内ネットワークにおいて、リース満了に伴う機器更改と移行計画を策定する事例です。現行のSTP構成の課題を整理し、RSTPやスタック機能への移行による障害復旧時間の短縮と運用改善の仕組みが問われます。さらに、移行中の新旧機器の並行稼働における通信経路や、FWのNAT設定の切り替えも論点となります。プロトコルごとのポートの役割や状態遷移を比較し、通信フローを図に書き込みながらMACアドレスの変換やNATの動作を順に読み解いていきましょう。
この記事で押さえる論点
- STPとRSTPのポートの役割や状態遷移の違いを説明できる
- スタックやリンクアグリゲーションがSTPを不要にする理由と、その利点を説明できる
- 移行環境で新旧機器間を流れるパケットのMACアドレスの遷移を説明できる
- FW切り替え時のNAT設定や、DHCPリレーエージェントの役割を述べられる
出題情報
- 出題
- 2021(R3)春 ネットワークスペシャリスト 午後II 問1
- 配点
- 100点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
企業のネットワークを設計するときに,RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)を用いる方式や,スタック機能を用いる方式など,様々な方式を選択できるようになった。企業活動がITによって成り立っている現在,これらの技術を正しく選択して,情報システムの可用性向上を図ることは,どの企業においても重要な課題の一つである。
このような状況を基に,本問では,社内システムの更改と移行を事例に取り上げた。現行のSTPをRSTPに変更したときの方式,スタック機能を用いたときの方式を検討し,それぞれの特徴を解説した。
本問では,多くの企業のネットワークに利用されているRSTP,スタック機能を題材に,受験者が修得した技術と経験が,ネットワーク設計,構築,移行の実務で活用できる水準かどうかを問う。
問1では,社内システムの更改を題材に,STP,RSTP及びスタック機能を用いたときの方式の違いと,現行の社内システムから新社内システムへの移行について出題した。全体として,正答率は低かった。
問題本文
問1 社内システムの更改に関する次の記述を読んで,設問1〜6に答えよ。
G社は,都内に本社を構える従業員600名の建設会社である。G社の従業員は,情報システム部が管理する社内システムを業務に利用している。情報システム部は,残り1年でリース期間の満了を迎える,サーバ,ネットワーク機器及びPCの更改を検討している。
〔社内システムの概要〕
G社の社内システムの構成を図1に示す。

図の説明テキスト
図1 G社の社内システムの構成(抜粋)を示すネットワーク構成図。
上部に「インターネット」があり、「ルータ1」を通じて社内システムに接続。
社内システムは大きな枠で囲まれ、ルータ1の下に「L2SW0」がある。ルータ1とL2SW0の間は「インターネット接続用サブネット 199.α.β.0/26」。
L2SW0は「FW1」「FW2」に接続される。
FW1, FW2の下流は左側の「内部NW」と右側の「DMZ」に分かれる。
「内部NW」:
FW1, FW2から「L3SW1」「L3SW2」へ接続。「FW-L3SW間サブネット 172.17.10.0/24 VLAN10」。L3SW1とL3SW2はリンクアグリゲーションで接続。
L3SW1, L3SW2から「ディレクトリサーバ」「内部DNSサーバ」へ接続。「内部サーバ収容サブネット 172.17.11.0/24 VLAN11」。
L3SW1, L3SW2から「L2SW3...L2SW20」へ接続。「PC収容サブネット1」「PC収容サブネット2」「PC収容サブネット3」。
L2SW3...L2SW20の配下に「PC」が複数接続。
「DMZ」:
FW1, FW2から「L2SW1」「L2SW2」へ接続。「DMZサーバ収容サブネット 172.16.254.0/24」。L2SW1とL2SW2はリンクアグリゲーションで接続。
L2SW1, L2SW2から「公開Webサーバ」「外部DNSサーバ」へ接続。
図の下には凡例として以下が記載されている。
L2SW:レイヤ2スイッチ、L3SW:レイヤ3スイッチ、FW:ファイアウォール、NW:ネットワーク。
リンクアグリゲーションの記号:リンクアグリゲーションを用いて接続している回線。
注記1:199.α.β.0/26は、グローバルIPアドレスを示す。
注記2:PC収容サブネット1のIPアドレスブロックは172.17.101.0/24、VLAN IDは101である。
注記3:PC収容サブネット2のIPアドレスブロックは172.17.102.0/24、VLAN IDは102である。
注記4:PC収容サブネット3のIPアドレスブロックは172.17.103.0/24、VLAN IDは103である。
注記5:L2SW3〜L2SW20は、PC収容サブネット1〜PC収容サブネット3を構成している。
G社の社内システムの概要は,次のとおりである。
- 外部DNSサーバは,DMZのドメインに関するゾーンファイルを管理する権威サーバであり,インターネットから受信する名前解決要求に応答する。
- 内部DNSサーバは,社内システムのドメインに関するゾーンファイルを管理する権威サーバであり,PC及びサーバから送信された名前解決要求に応答する。
- 内部DNSサーバは,DNSaであり,PC及びサーバから送信された社外のドメインに関する名前解決要求を,ISPが提供するフルサービスリゾルバに転送する。
- 全てのサーバに二つのNICを実装し,アクティブ/スタンバイのチーミングを設定している。
- L3SW1及びL3SW2でVRRPを構成し,L3SW1のbを大きく設定して,マスタルータにしている。
- L3SW1とL3SW2間のポートを,VLAN10,VLAN11及びVLAN101〜VLAN103を通すトランクポートにしている。
- L2SW3〜L2SW20とL3SW間のポートを,VLAN101〜VLAN103を通すトランクポートにしている。
- 内部NWのスイッチは,IEEE 802.1Dで規定されているSTP(Spanning Tree Protocol)を用いて,経路を冗長化している。
- 内部DNSサーバはDHCPサーバ機能をもち,PCに割り当てるIPアドレス,サブネットマスク,デフォルトゲートウェイのIPアドレス,及び①名前解決要求先のIPアドレスの情報を,PCに通知している。
- FW1及びFW2は,アクティブ/スタンバイのクラスタ構成である。
- FW1及びFW2に静的NATを設定し,インターネットから受信したパケットの宛先IPアドレスを,公開Webサーバ及び外部DNSサーバのプライベートIPアドレスに変換している。
- FW1及びFW2にNAPTを設定し,サーバ及びPCからインターネット向けに送信されるパケットの送信元IPアドレス及び送信元ポート番号を,それぞれ変換している。
G社のサーバ及びPCの設定を表1に,G社のネットワーク機器に設定する静的経路情報を表2に,それぞれ示す。

図の説明テキスト
表1 G社のサーバ及びPCの設定(抜粋)
| 機器名 | IPアドレスの割当範囲 | デフォルトゲートウェイ機器名 | デフォルトゲートウェイIPアドレス | 所属VLAN |
|---|---|---|---|---|
| 公開Webサーバ | 172.16.254.10〜172.16.254.100(外部DNSサーバと共通) | FW1, FW2 | 172.16.254.1^1) | なし |
| 外部DNSサーバ | 172.16.254.10〜172.16.254.100(公開Webサーバと共通) | FW1, FW2 | 172.16.254.1^1) | なし |
| ディレクトリサーバ | 172.17.11.10〜172.17.11.100(内部DNSサーバと共通) | L3SW1, L3SW2 | 172.17.11.1^2) | 11 |
| 内部DNSサーバ | 172.17.11.10〜172.17.11.100(ディレクトリサーバと共通) | L3SW1, L3SW2 | 172.17.11.1^2) | 11 |
| PC | 172.17.101.10〜172.17.101.254 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.101.1^2) | 101 |
| PC | 172.17.102.10〜172.17.102.254 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.102.1^2) | 102 |
| PC | 172.17.103.10〜172.17.103.254 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.103.1^2) | 103 |
注 1) FW1とFW2が共有する仮想IPアドレスである。
2) L3SW1とL3SW2が共有する仮想IPアドレスである。

図の説明テキスト
表2 G社のネットワーク機器に設定する静的経路情報(抜粋)
| 機器名 | 宛先ネットワークアドレス | サブネットマスク | ネクストホップ機器名 | ネクストホップIPアドレス |
|---|---|---|---|---|
| FW1, FW2 | 172.17.11.0 | 255.255.255.0 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.10.4^1) |
| FW1, FW2 | 172.17.101.0 | 255.255.255.0 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.10.4^1) |
| FW1, FW2 | 172.17.102.0 | 255.255.255.0 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.10.4^1) |
| FW1, FW2 | 172.17.103.0 | 255.255.255.0 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.10.4^1) |
| FW1, FW2 | 0.0.0.0 | 0.0.0.0 | ルータ1 | 199.α.β.1 |
| L3SW1, L3SW2 | 0.0.0.0 | 0.0.0.0 | FW1, FW2 | 172.17.10.1^2) |
注 1) L3SW1とL3SW2が共有する仮想IPアドレスである。
2) FW1とFW2が共有する仮想IPアドレスである。
情報システム部のJ主任が社内システムの更改と移行を担当することになった。更改と移行に当たって,上司であるM課長から指示された内容は,次のとおりである。
(1) 内部NWを見直して,障害発生時の業務への影響の更なる低減を図ること
(2) 業務への影響を極力少なくした移行計画を立案すること
〔現行の内部NW調査〕
J主任は,まず,現行の内部NWの設計について再確認した。内部NWのスイッチは,一つのツリー型トポロジをSTPによって構成し,全てのVLANのループを防止している。②L3SW1に最も小さいブリッジプライオリティ値を,L3SW2に2番目に小さいブリッジプライオリティ値を設定し,L3SW1をルートブリッジにしている。
ルートブリッジに選出されたL3SW1は,STPによって構成されるツリー型トポロジの最上位のスイッチである。L3SW1はパスコストを0に設定したBPDU(Bridge Protocol Data Unit)を,接続先機器に送信する。BPDUを受信したL3SW2及びL2SW3〜L2SW20(以下,L3SW2及びL2SW3〜L2SW20を非ルートブリッジという)は,設定されたパスコストを加算したBPDUを,受信したポート以外のポートから送信する。非ルートブリッジのL3SW及びL2SWの全てのポートのパスコストに,同じ値を設定している。
STPを設定したスイッチは,各ポートに,ルートポート,指定ポート及び非指定ポートのいずれかの役割を決定する。ルートブリッジであるL3SW1では,全てのポートがcポートとなる。非ルートブリッジでは,パスコストやブリッジプライオリティ値に基づきポートの役割を決定する。例えば,L2SW3において,L3SW2に接続するポートは,dポートである。
STPのネットワークでトポロジの変更が必要になると,スイッチはポートの状態遷移を開始し,eテーブルをクリアする。
ポートをフォワーディングの状態にするときの,スイッチが行うポートの状態遷移は,次のとおりである。
(1) リスニングの状態に遷移させる。
(2) 転送遅延に設定した待ち時間が経過したら,ラーニングの状態に遷移させる。
(3) 転送遅延に設定した待ち時間が経過したら,フォワーディングの状態に遷移させる。
J主任は,内部NWのSTPを用いているネットワークに障害が発生したときの復旧を早くするために,IEEE 802.1D-2004で規定されているRSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)を用いる方式と,スイッチのスタック機能を用いる方式を検討することにした。
〔RSTPを用いる方式〕
J主任は,トポロジの再構成に掛かる時間を短縮したプロトコルであるRSTPについて調査した。RSTPでは,STPの非指定ポートの代わりに,代替ポートとバックアップポートの二つの役割が追加されている。RSTPで追加されたポートの役割を,表3に示す。

図の説明テキスト
表3 RSTPで追加されたポートの役割
| 役割 | 説明 |
|---|---|
| 代替ポート | 通常,ディスカーディングの状態であり,ルートポートのダウンを検知したら,すぐにルートポートになり,フォワーディングの状態になるポート |
| バックアップポート | 通常,ディスカーディングの状態であり,指定ポートのダウンを検知したら,すぐに指定ポートになり,フォワーディングの状態になるポート |
注記 ディスカーディングの状態は,MACアドレスを学習せず,フレームを破棄する。
RSTPでは,プロポーザルフラグをセットしたBPDU(以下,プロポーザルという)及びアグリーメントフラグをセットしたBPDU(以下,アグリーメントという)を使って,ポートの役割決定と状態遷移を行う。
調査のために,J主任が作成したRSTPのネットワーク図を図2に示す。

図の説明テキスト
図2 J主任が作成したRSTPのネットワーク図
ノードとして「スイッチR」「スイッチA」「スイッチB」が存在する。
スイッチRとスイッチA、スイッチRとスイッチB、スイッチAとスイッチBがそれぞれ実線で接続されている。
スイッチAとスイッチBの間の接続線におけるスイッチB側のポート付近に、「代替ポート」というテキストとそこへ向かう点線の引き出し線が引かれている。
図の下部に以下の注記がある。
注記1 全てのスイッチにRSTPを用いる。
注記2 スイッチRがルートブリッジである。
スイッチAにおいて,スイッチRに接続するポートのダウンを検知したときに,スイッチAとスイッチBが行うポートの状態遷移は,次のとおりである。
(1) スイッチAは,トポロジチェンジフラグをセットしたBPDUをスイッチBに送信する。
(2) スイッチBは,スイッチAにプロポーザルを送信する。
(3) スイッチAは,受信したプロポーザル内のブリッジプライオリティ値やパスコストと,自身がもつブリッジプライオリティ値やパスコストを比較する。比較結果から,スイッチAは,スイッチBがRSTPによって構成されるトポロジにおいてfであると判定し,スイッチBにアグリーメントを送信し,指定ポートをルートポートにする。
(4) アグリーメントを受信したスイッチBは,代替ポートを指定ポートとして,フォワーディングの状態に遷移させる。
J主任は,調査結果から,STPをRSTPに変更することで,③内部NWに障害が発生したときの,トポロジの再構成に掛かる時間を短縮できることを確認した。
〔スイッチのスタック機能を用いる方式〕
次に,J主任は,ベンダから紹介された,新たな機器が実装するスタック機能を用いる方式を検討した。新たな機器を用いた社内システム(以下,新社内システムという)の内部NWに関して,J主任が検討した内容は次のとおりである。
- 新L3SW1と新L3SW2をスタック用ケーブルで接続し,1台の論理スイッチ(以下,スタックL3SWという)として動作させる。
- スタックL3SWと新L2SW3〜新L2SW20の間を,リンクアグリゲーションを用いて接続する。
- 新ディレクトリサーバ及び新内部DNSサーバに実装される二つのNICに,アクティブ/アクティブのチーミングを設定し,スタックL3SWに接続する。
検討の内容を基に,J主任は,スタック機能を用いることで,障害発生時の復旧を早く行えるだけでなく,④スイッチの情報収集や構成管理などの維持管理に係る運用負荷の軽減や,⑤回線帯域の有効利用を期待できると考えた。
〔新社内システムの構成設計〕
J主任は,スイッチのスタック機能を用いる方式を採用し,STP及びRSTPを用いない構成にすることにした。J主任が設計した新社内システムの構成を,図3に示す。

図の説明テキスト
新社内システムのネットワーク構成図。
一番上に「新社内システム」の大きな枠があり、外側の「インターネット」と「新ルータ1」が接続されている。
新ルータ1の下に「新L2SW0」があり、そこから「新FW1」「新FW2」へ接続されている。
新FW1と新FW2の下には大きく分けて左の「内部NW」と右の「DMZ」の2つの領域がある。
内部NWには「スタックL3SW」があり、これは「新L3SW1」と「新L3SW2」が「スタック用ケーブル」(太線)で結ばれた構成となっている。
スタックL3SWの下には「新L2SW3」から「新L2SW20」までが「リンクアグリゲーションを用いて接続する回線」(楕円に横線)で接続されている。それぞれのL2SWの配下には「新PC」が複数接続されている。
また、新L3SW2からは「新ディレクトリサーバ」と「新内部DNSサーバ」が接続されている。
DMZには「スタックL2SW」があり、これは「新L2SW1」と「新L2SW2」が「スタック用ケーブル」で結ばれた構成。
新L2SW1は新FW1と、新L2SW2は新FW2と接続されている。
スタックL2SWの下には「新公開Webサーバ」と「新外部DNSサーバ」がそれぞれリンクアグリゲーションを用いて接続されている。
図の左下には凡例として「(太線): スタック用ケーブル」「(楕円に横線): リンクアグリゲーションを用いて接続する回線」が記載されている。
注記として「スタックL2SWは,新L2SW1と新L2SW2をスタック用ケーブルで接続した1台の論理スイッチである。」と書かれている。
図の下部中央には「図3 新社内システムの構成(抜粋)」というキャプションがある。
〔新社内システムへの移行の検討〕
J主任は,現行の社内システムから新社内システムへの移行に当たって,五つの作業ステップを設けることにした。移行における作業ステップを表4に,ステップ1完了時のネットワーク構成を図4に示す。ステップ1では,現行の社内システムと新社内システムの共存環境を構築する。

図の説明テキスト
表4 移行における作業ステップ(抜粋)
| 作業ステップ | 作業期間 | 説明 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 1か月 | ・図4中の新社内システムを構築し,現行の社内システムと接続する。 |
| ステップ2 | 1か月 | ・⑥現行のディレクトリサーバから新ディレクトリサーバへデータを移行する。 ・⑦現行の社内システムに接続された PC から,新公開 Web サーバの動作確認を行う。 |
| ステップ3 | 1日 | ・現行の社内システムから,新社内システムに切り替える。(表8参照) |
| ステップ4 | 1か月 | ・新社内システムの安定稼働を確認し,新サーバに不具合が見つかった場合には,速やかに現行のサーバに切り戻す。 |
| ステップ5 | 1日 | ・現行の社内システムを切り離す。 |

図の説明テキスト
ステップ1完了時のネットワーク構成(抜粋)を示す図。
・左側に「インターネット」と「社内システム」(L3SW1を含む)が描かれ、社内システムの構成は図1と同じとの注記がある。
・中央から右にかけて「新社内システム」の大きな枠が描かれている。
・新社内システムの構成要素と接続:
- 最上部に「新ルータ1」、その下に「新L2SW0」が接続。
- 新L2SW0の下に「新FW1」と「新FW2」が並んで接続。
- その下に、点線枠で囲まれた「スタックL3SW」(新L3SW1、新L3SW2を含む)と「スタックL2SW」(新L2SW1、新L2SW2を含む)が配置。新FW1・新FW2からそれぞれクロスケーブルのように接続されている。
- スタックL3SWの下には、「新ディレクトリサーバ」と「新内部 DNS サーバ」が接続。
- スタックL2SWの下には、「新公開 Web サーバ」と「新外部 DNS サーバ」が接続。
- また、左下に「新L2SW3…新L2SW20」が配置され、その下に「新PC…新PC」が接続されている。
・社内システムの「L3SW1」と新社内システムの「新L3SW1」の間は「VLAN11」の線で接続されている。
・図の左下に凡例があり、二重線に楕円が交差した記号が「リンクアグリゲーションを用いて接続する回線」を示している。
・図の下部に注記がある。 - 注記1: 新L2SW3〜新L2SW20と新L3SW1,新L3SW2間は接続されていない。
- 注記2: スタックL3SWには,VLAN101〜VLAN103に関する設定を行わない。
・キャプションとして「図4 ステップ1完了時のネットワーク構成(抜粋)」と記載されている。
ステップ1完了時のネットワーク構成の概要は,次のとおりである。
- 新ディレクトリサーバ及び新内部DNSサーバに,172.17.11.0/24のIPアドレスブロックから未使用のIPアドレスを割り当てる。
- ⑧新公開Webサーバ及び新外部DNSサーバには,172.16.254.0/24のIPアドレスブロックから未使用のIPアドレスを割り当てる。
- 現行のL3SW1と新L3SW1間を接続し,接続ポートをVLAN11のアクセスポートにする。
- スタックL3SWのVLAN11のVLANインタフェースに,未使用のIPアドレスである172.17.11.101を,一時的に割り当てる。
- 全ての新サーバについて,デフォルトゲートウェイのIPアドレスは,現行のサーバと同じIPアドレスにする。
- 新社内システムのインターネット接続用サブネットには,現行の社内システムと同じグローバルIPアドレスを使うので,新外部DNSサーバのゾーンファイルに,現行の外部DNSサーバと同じゾーン情報を登録する。
- 現行の内部DNSサーバ及び新内部DNSサーバのゾーンファイルに,新サーバに関するゾーン情報を登録する。
- 新FW1及び新FW2は,アクティブ/スタンバイのクラスタ構成にする。
- 新FW1及び新FW2には,インターネットから受信したパケットの宛先IPアドレスを,新公開Webサーバ及び新外部DNSサーバのプライベートIPアドレスに変換する静的NATを設定する。
- 新FW1及び新FW2にNAPTを設定する。
- 新サーバの設定を表5に,新FW及びスタックL3SWに設定する静的経路情報を表6に,FW及びL3SWに追加する静的経路情報を表7に示す。

図の説明テキスト
表5 新サーバの設定 (抜粋)
| 機器名 | IPアドレスの割当範囲 | デフォルトゲートウェイ機器名 | デフォルトゲートウェイIPアドレス | 所属VLAN |
|---|---|---|---|---|
| 新公開 Web サーバ | (設問のため省略) | 新 FW1, 新 FW2 | 172.16.254.1^1) | なし |
| 新外部 DNS サーバ | ||||
| 新ディレクトリサーバ | (省略) | L3SW1, L3SW2 | 172.17.11.1^2) | 11 |
| 新内部 DNS サーバ | ||||
| 注 1) 新 FW1 と新 FW2 が共有する仮想 IP アドレスである。 | ||||
| 2) L3SW1 と L3SW2 が共有する仮想 IP アドレスである。 |

図の説明テキスト
表6 新 FW 及びスタック L3SW に設定する静的経路情報 (抜粋)
| 機器名 | 宛先ネットワークアドレス | サブネットマスク | ネクストホップ機器名 | ネクストホップIP アドレス |
|---|---|---|---|---|
| 新 FW1, 新 FW2 | 172.17.11.0 | 255.255.255.0 | スタック L3SW | 172.17.10.4 |
| 172.17.101.0 | 255.255.255.0 | スタック L3SW | 172.17.10.4 | |
| 172.17.102.0 | 255.255.255.0 | スタック L3SW | 172.17.10.4 | |
| 172.17.103.0 | 255.255.255.0 | スタック L3SW | 172.17.10.4 | |
| 0.0.0.0 | 0.0.0.0 | スタック L3SW | 172.17.10.4 | |
| スタック L3SW | 172.16.254.128 | 255.255.255.128 | 新 FW1, 新 FW2 | 172.17.10.1^1) |
| 0.0.0.0 | 0.0.0.0 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.11.1^2) | |
| 注 1) 新 FW1 と新 FW2 が共有する仮想 IP アドレスである。 | ||||
| 2) L3SW1 と L3SW2 が共有する仮想 IP アドレスである。 |

図の説明テキスト
表7 FW 及び L3SW に追加する静的経路情報 (抜粋)
| 機器名 | 宛先ネットワークアドレス | サブネットマスク | ネクストホップ機器名 | ネクストホップIP アドレス |
|---|---|---|---|---|
| FW1, FW2 | 172.16.254.128 | 255.255.255.128 | L3SW1, L3SW2 | 172.17.10.4^1) |
| L3SW1, L3SW2 | 172.16.254.128 | 255.255.255.128 | スタック L3SW | 172.17.11.101 |
| 注 1) L3SW1 と L3SW2 が共有する仮想 IP アドレスである。 |
次に,J主任は,ステップ3の現行の社内システムから新社内システムへの切替作業について検討した。J主任が作成したステップ3の作業手順を,表8に示す。

図の説明テキスト
表8 ステップ3の作業手順(抜粋)
| 作業名 | 手順 |
|---|---|
| インターネット接続回線の切替作業 | ・現行のルータ1に接続されているインターネット接続回線を,新ルータ1に接続する。 |
| DMZのネットワーク構成変更作業 | ・新FW1及び新FW2に設定されているデフォルトルートのネクストホップを,新ルータ1のIPアドレスに変更する。 ・⑨現行のFW1とL2SW1間,及び現行のFW2とL2SW2間を接続しているLANケーブルを抜く。 ・⑩ステップ4で,新サーバに不具合が見つかったときの切戻しに掛かる作業量を減らすために,現行のL2SW1と新L2SW1間を接続する。 ・⑪インターネットから新公開Webサーバに接続できることを確認する。 |
| 内部NWのネットワーク構成変更作業 | ・現行のL3SW1及びL3SW2のVLANインタフェースに設定されている全てのIPアドレス,並びに静的経路情報を削除する。 ・スタックL3SWのVLAN11のVLANインタフェースに設定されているIPアドレスを,gに変更する。 ・スタックL3SWに設定されているデフォルトルートのネクストホップを新FW1と新FW2が共有する仮想IPアドレスに変更する。 ・スタックL3SWに設定されている宛先ネットワークアドレスが172.16.254.128/25の静的経路情報を削除する。 |
| ディレクトリサーバの切替作業 | ・新ディレクトリサーバをマスタとして稼働させる。 |
| DHCPサーバの切替作業 | ・現行の内部DNSサーバのDHCPサーバ機能を停止する。 ・新内部DNSサーバのDHCPサーバ機能を開始する。 ・⑫スタックL3SWにDHCPリレーエージェントを設定する。 |
| 新PCの接続作業 | ・スタックL3SWに,VLAN101〜VLAN103のVLANインタフェースを作成し,IPアドレスを設定する。 ・新L2SW3〜新L2SW20と新L3SW1,新L3SW2に,VLAN101〜VLAN103を通すトランクポートを設定し,接続する。 ・新PCから新ディレクトリサーバに接続できることを確認する。 |
J主任が作成した移行計画はM課長に承認され,J主任は更改の準備に着手した。

図の説明テキスト
転送経路を示す模式図。
「【転送経路】」という見出しの下に、左から順に「インターネット」、四角い枠で囲まれた「経由する順に全て列挙」、「公開 Web サーバ」という3つの要素が配置され、それぞれが右向きの矢印(→)で結ばれている。
設問と解答・解説
設問1
〔社内システムの概要〕について,(1),(2)に答えよ。
本文中の空欄aに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
フォワーダ
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
本文中の空欄bに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
プライオリティ値
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
本文中の下線①の名前解決要求先を,図1中の機器名で答えよ。
設問2
〔現行の内部NW調査〕について,(1),(2)に答えよ。
本文中の下線②の設定を行わず,内部NWのL2SW及びL3SWに同じブリッジプライオリティ値を設定した場合に,L2SW及びL3SWはブリッジIDの何を比較してルートブリッジを決定するか。適切な字句を答えよ。
模範解答
MACアドレス
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
また,L2SW3がルートブリッジに選出された場合に,L3SW1とL3SW2がVRRPの情報を交換できなくなるサブネットを,図1中のサブネット名を用いて全て答えよ。
模範解答
FW-L3SW間サブネット,内部サーバ収容サブネット
採点基準
- 4点: 「FW-L3SW間サブネット」と「内部サーバ収容サブネット」の両方を挙げ、他のサブネットを含まない(順不同。VLAN10・VLAN11 や IPアドレスブロックの併記は可)。
- 2点: どちらか一方だけを正しく挙げ、誤ったサブネットを含まない。
- 0点: PC収容サブネット(1〜3。L2SW3 経由のトランクで VRRP を交換できる)や DMZサーバ収容サブネットを含むもの、それ以外。
解説
- VRRPのアドバタイズメント(VRRPパケット)は同一サブネット内でマルチキャストを用いて交換されます。
- 図1より、L3SW1とL3SW2は、VLAN10(FW-L3SW間サブネット)とVLAN11(内部サーバ収容サブネット)、およびVLAN101〜103(PC収容サブネット)を共有しています。
- PC収容サブネット(VLAN101〜103)については、L2SW3〜L2SW20を経由するトランクポートが設定されています。
- 一方、FW-L3SW間サブネットと内部サーバ収容サブネットは、L3SW1とL3SW2間の直接リンク(リンクアグリゲーション)のみを通ります。
- L2SW3がルートブリッジになった場合、STPの構成により、L3SW1とL3SW2間の直接リンクがブロックポート(非指定ポート)になる可能性があります。
- 直接リンクがブロックされると、L2SW3を経由できない FW-L3SW間サブネット と 内部サーバ収容サブネット においてL3SW1とL3SW2が通信できなくなり、VRRPの情報を交換できなくなります。
本文中の空欄cに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
指定
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- STP(Spanning Tree Protocol)において、ルートブリッジがもつ全てのポートは、他のスイッチへBPDUを送信し、フレームを転送する役割を担う 指定ポート(Designated Port)となります。
高得点のポイント
- STPおよびRSTPで共通して用いられるポートの役割や用語を正確に理解していること。
- ネットワークトポロジの条件から適切な用語を論理的に選択できていること。
本文中の空欄dに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
非指定
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- L3SW1がルートブリッジであり、非ルートブリッジであるL2SW3のポートの役割を決定します。
- L2SW3はL3SW1と直接接続されているポートが ルートポート になります。
- 一方、L3SW2に接続するポートは、ループを防止するためにブロックされる必要があります。したがって、このポートは 非指定ポート(Non-Designated Port / ブロックポート)となります。
高得点のポイント
- STPおよびRSTPで共通して用いられるポートの役割や用語を正確に理解していること。
- ネットワークトポロジの条件から適切な用語を論理的に選択できていること。
本文中の空欄eに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
MACアドレス
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
設問2は,(1),(2)ともに正答率がやや低かった。STPの用語はRSTPでも用いられるので,是非知っておいてほしい。サブネットについて,STPとVRRPの構成を正しく把握し,設計上の問題点を発見することは,ネットワークを設計する上で非常に重要である。
設問3
〔RSTPを用いる方式〕について,(1),(2)に答えよ。
本文中の空欄fに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
上位のスイッチ
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- RSTPにおいて、スイッチ間でプロポーザル(提案)とアグリーメント(合意)を交換し、ポートの役割を決定します。
- スイッチAは、スイッチBからのプロポーザルを受信し、ブリッジプライオリティ値やパスコストを比較します。
- その結果、スイッチBの方がルートブリッジに近い(パスコストが小さい、またはプライオリティが優位である)と判断した場合、スイッチAはスイッチBが自分よりも 上位のスイッチ であると判定し、アグリーメントを返して自身のポートをルートポートへと遷移させます。
高得点のポイント
- RSTPにおける状態遷移の違いを読み取り、正確な知識に基づいて解答できていること。
- プロポーザルやアグリーメントといったネゴシエーションの流れを論理的に把握していること。
本文中の下線③について,トポロジの再構成に掛かる時間を短縮できる理由を一つ挙げ,30字以内で述べよ。
模範解答
ポート故障時の代替ポートを事前に決定しているから
転送遅延がなく,ポートの状態遷移を行うから
採点基準
- 2点: 次のどちらか一方を述べている。(a) ポート(ルートポート・指定ポート)の故障時に切り替える代替ポート(バックアップポート)をあらかじめ決めている、(b) 転送遅延(リスニング・ラーニングの待ち時間)なしに、プロポーザル/アグリーメントでポートの状態遷移を行う。
- 1点: 方向は合うが曖昧(「代替ポートがあるから」だけで事前に決まっている点が不明、「待ち時間が短いから」だけなど)。
- 0点: それ以外。
- 1点: 再構成時間を短縮できる理由として成立している。
- 0点: それ以外。
解説
- STPではポートの障害を検知してから再計算を行うため、復旧に時間がかかります。
- 一方RSTPでは、表3にあるように、あらかじめ 代替ポート や バックアップポート として予備のポート役割を決定しています。
- これにより、主経路の障害時にすぐにフォワーディング状態へ移行でき、トポロジ再構成の時間が短縮されます。
- もう一つの理由として、STPではポートをフォワーディング状態にするまでに「リスニング」や「ラーニング」の状態遷移に転送遅延の待ち時間が発生しますが、RSTPでは、プロポーザルとアグリーメントによるネゴシエーションを用いることで、転送遅延を待たずに即座にポートを状態遷移させます。
- 1つ目の理由と2つ目の理由は順不同です。
高得点のポイント
- 本文中に示されたRSTPで追加されたポートの役割を正確に読み取り、もう一歩踏み込んで論理的に考察できていること。
- 指定された文字数などの形式を守り、要点を簡潔に表現できていること。
トポロジの再構成に掛かる時間を短縮できるもう一つの理由を,30字以内で述べよ。
模範解答
転送遅延がなく,ポートの状態遷移を行うから
ポート故障時の代替ポートを事前に決定しているから
採点基準
- 2点: 1つ目(q1_sq3_2)の解答と異なるもう一方を述べている(1つ目が代替ポートの事前決定なら転送遅延なしの状態遷移、逆も同様)。1つ目が誤り・無回答ならどちらでも2点。
- 1点: 方向は合うが曖昧。
- 0点: 1つ目と同じ内容、それ以外。
- 1点: 理由として成立し、かつ1つ目と同じ内容でない。
- 0点: それ以外。
解説
- STPでは、ポートをフォワーディング状態にするまでに「リスニング」や「ラーニング」の状態遷移に転送遅延の待ち時間が発生します。
- RSTPでは、プロポーザルとアグリーメントによるネゴシエーション(ハンドシェイク)を用いることで、タイマーによる待ち時間(転送遅延)を待たずに即座にポートを状態遷移させます。
- 1つ目の理由とは順不同です。
高得点のポイント
- STPとRSTPの状態遷移の違いを読み取り、もう一歩踏み込んで論理的に考察できていること。
- 指定された文字数などの形式を守り、要点を簡潔に表現できていること。
設問3(2)は,正答率が低かった。トポロジの再構成に掛かる時間を短縮できる理由を問う問題であり,本文中に示されたRSTPで追加されたポートの役割,STPとRSTPの状態遷移の違いを読み取り,もう一歩踏み込んで考えてほしい。
設問4
〔スイッチのスタック機能を用いる方式〕について,(1),(2)に答えよ。
本文中の下線④について,運用負荷を軽減できる理由を,30字以内で述べよ。
模範解答
2台のL3SWを1台のスイッチとして管理できるから
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- スタック機能とは、複数台のスイッチを専用ケーブルで接続し、論理的に1台のスイッチとして動作させる技術です。
- 単体のスイッチが2台ある場合と異なり、スタックL3SWとして 1台の論理スイッチ として扱われるため、設定の投入や構成情報の管理が1台分で済み、運用負荷が軽減されます。
高得点のポイント
- スタック機能の実務的なメリットと動作原理を正確に理解していること。
- 運用負荷軽減の理由を、論理的かつ簡潔に表現できていること。
本文中の下線⑤について,内部NWで,スタックL3SW〜新L2SW以外に回線帯域を有効利用できるようになる区間が二つある。二つの区間のうち一つの区間を,図3中の字句を用いて答えよ。
模範解答
スタックL3SW~新ディレクトリサーバ
スタックL3SW~新内部DNSサーバ
採点基準
- 4点: 「スタックL3SW〜新ディレクトリサーバ」又は「スタックL3SW〜新内部DNSサーバ」のどちらか一方。区間の両端が図3の機器名で示されていればよく、「〜」の代わりに「と」「間」「-」を使ったものも可。両方を正しく書いたものも減点しない。
- 2点: 区間の一方の端だけ、又は機器名が図3と異なる(「新」が抜けるなど)。
- 0点: スタックL3SW〜新L2SW(設問で除外されている)、DMZ側の区間(スタックL2SW〜新公開Webサーバなど)、それ以外。
設問5
図3の構成について,STP及びRSTPを不要にしている技術と理由に答えよ。
STP及びRSTPを不要にしている技術を二つ答えよ。(一つ目)
模範解答
スタック
リンクアグリゲーション
採点基準
- 2点: 「スタック(スタック機能)」又は「リンクアグリゲーション」のどちらか一方。
- 1点: 方向は合うが不正確(「スタック用ケーブル」など)。
- 0点: それ以外(VRRP、NICのチーミング、STP/RSTP など)。
- 2点: 技術名として適切に答えている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- STPやRSTPはネットワーク上のループを防ぐためのプロトコルであり、論理的に経路を1本に絞ります。
- 複数のL3SWやL2SWを束ねて1台の論理スイッチとして扱う スタック 機能により、スイッチ間のループ構成を排除しています。
- 1つ目と2つ目の技術は順不同です。
高得点のポイント
- スタック機能がネットワークトポロジにおいてどのように冗長化とループ排除を実現するかを正確に理解していること。
- ネットワーク設計の実務知識に基づき、論理的な解答を導出できていること。
STP及びRSTPを不要にしている技術を二つ答えよ。(二つ目)
模範解答
リンクアグリゲーション
スタック
採点基準
- 2点: 1つ目(q1_sq5_1)と異なるもう一方(1つ目がスタックならリンクアグリゲーション、逆も同様)。1つ目が誤り・無回答ならどちらでも2点。
- 1点: 方向は合うが不正確。
- 0点: 1つ目と同じ技術、それ以外(チーミング・VRRP など)。
- 2点: 技術名として適切、かつ1つ目と同じでない。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- スイッチ間やサーバとスイッチ間の複数の物理回線を束ねて1本の論理回線として扱う リンクアグリゲーション により、複数リンクによるループが発生しない構成になっています。
- 1つ目の技術とは順不同です。
高得点のポイント
- リンクアグリゲーションがネットワークトポロジにおいてどのように冗長化とループ排除を実現するかを正確に理解していること。
- ネットワーク設計の実務知識に基づき、論理的な解答を導出できていること。
STP及びRSTPが不要になる理由を,15字以内で述べよ。
模範解答
ループがない構成だから
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- スタックとリンクアグリゲーションを活用することで、物理的な冗長経路があっても論理的にはツリー型の経路が1本に集約されます。
- その結果、ネットワーク上に ループがない構成 となり、ループを防止するためのSTPやRSTPによる制御が不要になります。
高得点のポイント
- 冗長化技術がSTP等のプロトコルを不要にする本質的な理由を正確に理解していること。
- 限られた文字数で論理的に要点をまとめられていること。
設問6
〔新社内システムへの移行の検討〕について,(1)〜(8)に答えよ。
表4中の下線⑥によって発生する現行のディレクトリサーバから新ディレクトリサーバ宛ての通信について,現行のL3SW1とスタックL3SW間を流れるイーサネットフレームをキャプチャしたときに確認できる送信元MACアドレスをもつ機器を答えよ。
模範解答
現行のディレクトリサーバ
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- 現行のディレクトリサーバと新ディレクトリサーバは、どちらも VLAN11(内部サーバ収容サブネット 172.17.11.0/24)に所属しています。
- 新ディレクトリサーバは VLAN11 に所属し、ステップ1の構成(図4)において、現行の L3SW1 と新 L3SW1 間は VLAN11 のアクセスポートとして接続されています。
- したがって、両サーバは同一サブネット(L2ネットワーク)上に存在するため、ルータを介さずに直接L2通信を行います。
- 通信の送信元は現行のディレクトリサーバであるため、送信元MACアドレスには 現行のディレクトリサーバ のMACアドレスが設定されます。
高得点のポイント
- 移行期間中の社内システムと新社内システムの構成や経路情報を正しく把握できていること。
- L2通信とMACアドレスの関係について正確な知識に基づいて論理的に解答できていること。
表4中の下線⑥によって発生する現行のディレクトリサーバから新ディレクトリサーバ宛ての通信について,現行のL3SW1とスタックL3SW間を流れるイーサネットフレームをキャプチャしたときに確認できる宛先MACアドレスをもつ機器を答えよ。
模範解答
新ディレクトリサーバ
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
表4中の下線⑦によって発生する現行のPCから新公開Webサーバ宛ての通信について,現行のL3SW1とスタックL3SW間を流れるイーサネットフレームをキャプチャしたときに確認できる送信元MACアドレスをもつ機器を答えよ。
模範解答
現行のL3SW1
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- 現行のPCは PC収容サブネットに属し、デフォルトゲートウェイは現行のL3SW1/L3SW2です。
- 新公開Webサーバは 172.16.254.0/24 に属しています。PCから新公開Webサーバへの通信は、まず現行のL3SW1にルーティングされます。
- 表7より、現行のL3SW1は宛先ネットワーク 172.16.254.128/25(新公開Webサーバが含まれる)に対するネクストホップを スタックL3SW(172.17.11.101)としています。
- 現行のL3SW1は受け取ったパケットをスタックL3SWへルーティング(転送)します。ルーティングされる際、送信元MACアドレスは中継するルータである 現行のL3SW1 のMACアドレスに書き換えられます。
高得点のポイント
- 移行期間中の社内システムと新社内システムの構成や経路情報を正しく把握できていること。
- ルーティングに伴うMACアドレスの書き換えについて、正確な知識に基づいて論理的に解答できていること。
表4中の下線⑦によって発生する現行のPCから新公開Webサーバ宛ての通信について,現行のL3SW1とスタックL3SW間を流れるイーサネットフレームをキャプチャしたときに確認できる宛先MACアドレスをもつ機器を答えよ。
模範解答
スタックL3SW
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
本文中の下線⑧について,新公開Webサーバに割り当てることができるIPアドレスの範囲を,表1及び表5〜7の設定内容を踏まえて答えよ。
模範解答
172.16.254.128~172.16.254.254
採点基準
- 2点: 172.16.254.128〜172.16.254.254(「.128〜.254」の省略や範囲記号の揺れは可)。
- 1点: 端点が一つずれたもの(/25 のネットワークアドレスとして .128 を除いた .129〜.254、.255 を含めた .128〜.255 など)。
- 0点: それ以外(.101〜.254 など /25 の外を含むもの)。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- 新公開Webサーバおよび新外部DNSサーバは、172.16.254.0/24 の未使用IPアドレスを割り当てられます。
- 表1より、現行の公開Webサーバおよび外部DNSサーバは 172.16.254.10~172.16.254.100 を使用しており、デフォルトゲートウェイの 172.16.254.1 も使用済みです。
- 表6および表7の静的経路情報を見ると、宛先ネットワークアドレスとして 172.16.254.128、サブネットマスク 255.255.255.128 が追加されています。
- 新サーバ宛ての経路は表6・表7で 172.16.254.128/255.255.255.128(172.16.254.128/25)として設定されるので、新公開Webサーバはこの範囲に置く必要があります。
- DMZサーバ収容サブネット自体は 172.16.254.0/24 なので、.128 は通常のホストアドレスとして使え、.255 は /24 のブロードキャストアドレスなので使えません。よって 172.16.254.128〜172.16.254.254 となります。
高得点のポイント
- 移行期間中の社内システムと新社内システムの構成や経路情報を正しく把握できていること。
- サブネットマスクを用いたIPアドレス範囲の計算を正確に行い、論理的に解答できていること。
表8中の下線⑨を行わないときに発生する問題を,30字以内で述べよ。
模範解答
現行のFWと新FWの仮想IPアドレスが重複する。
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- ステップ3のDMZ構成変更では、新FW1および新FW2がデフォルトルートを新ルータ1に向けます。
- 現行のFWと新FWは、公開Webサーバなどのデフォルトゲートウェイとして共有する仮想IPアドレス(172.16.254.1)を持っています。
- 現行FWとL2SW1、L2SW2間をつなぐLANケーブルを抜かずに、現行L2SWと新L2SWを接続してしまうと、DMZ内で現行のFWと新FWが同時に存在することになります。
- この結果、両方のFWが同じ仮想IPアドレスを主張し、現行のFWと新FWの仮想IPアドレスが重複する ため通信障害が起きます。
高得点のポイント
- 移行期間中の作業手順とその目的を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できていること。
- 仮想IPアドレスの重複によるネットワーク障害のリスクを論理的に表現できていること。
表8中の下線⑩の作業後に,新公開Webサーバに不具合が見つかり,現行の公開Webサーバに切り替えるときには,新FW1及び新FW2の設定を変更する。変更内容を,70字以内で述べよ。
模範解答
静的NATの変換後のIPアドレスを,新公開Webサーバから現行の公開WebサーバのIPアドレスに変更する。
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- ステップ1において、新FW1及び新FW2には「インターネットから受信したパケットの宛先IPアドレスを,新公開Webサーバ及び新外部DNSサーバのプライベートIPアドレスに変換する静的NAT」が設定されています。
- 現行の公開Webサーバに切り戻すためには、インターネットからのアクセスを再び現行の公開Webサーバへ誘導する必要があります。
- したがって、新FWに設定されている 静的NATの変換後のIPアドレス を、新公開Webサーバから 現行の公開WebサーバのIPアドレス に変更する設定を行います。
高得点のポイント
- 移行期間中の作業手順やFWの静的NAT設定を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できていること。
- 切戻しに必要な設定変更の内容を、論理的かつ指定文字数内で正確に表現できていること。
また,インターネットから現行の公開Webサーバに接続するときに経由する機器名を,【転送経路】の表記法に従い,経由する順に全て列挙せよ。
模範解答
新ルータ1→新L2SW0→新FW1→新L2SW1→L2SW1
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- 切り戻し後、インターネット接続回線は新ルータ1に繋がっているため、通信は インターネット → 新ルータ1 → 新L2SW0 と流れます。
- その後、アクティブ側である 新FW1 に到達し、静的NATによって宛先が現行の公開Webサーバに変換されます。
- 新FW1からDMZへ出たパケットは、まず 新L2SW1 を通ります。
- 現行のL2SW1と新L2SW1間は接続されており、現行のFWはLANケーブルが抜かれているため、パケットは 新L2SW1 から 現行のL2SW1 へ転送されます。
- 最終的に現行のL2SW1から現行の公開Webサーバへ到達します。
高得点のポイント
- 切戻し作業後のネットワーク構成や経路情報を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できていること。
- パケットが経由する機器の順序を論理的かつ正確にトレースできていること。
表8中の下線⑪によって発生する通信について,新FWの通信ログで確認できる通信を二つ答えよ。(一つ目)
ここで,新公開Webサーバに接続するためのIPアドレスは,接続元が利用するフルサービスリゾルバのキャッシュに記録されていないものとする。
模範解答
新公開Webサーバ宛てのWeb通信
新外部DNSサーバ宛てのDNS通信
採点基準
- 2点: 次のどちらか一方を、宛先と通信の種類が分かる形で述べている。(a) 新公開Webサーバ宛てのWeb通信(HTTP/HTTPS 通信の表記も可)、(b) 新外部DNSサーバ宛てのDNS通信(名前解決の問合せ)。
- 1点: 宛先か通信の種類の一方が欠ける(「DNS通信」だけ、「Webサーバへの通信」だけなど)。
- 0点: 現行の公開Webサーバ・内部DNSサーバ宛て、社内PCからの通信など、それ以外。
- 2点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出し、適切な用語で構成できている。
- 1点: 導出過程や構成に一部論理的な飛躍や不備がある。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- インターネットから新公開Webサーバへ接続を確認するためには、HTTP/HTTPSリクエストを送信します。
- この通信はインターネットから新FWを経由して新公開Webサーバに到達するため、新FWの通信ログには 新公開Webサーバ宛てのWeb通信 が記録されます。
- 2つの通信は順不同です。
高得点のポイント
- 移行作業中の通信確認において発生するトラフィックの種類を正しく把握できていること。
- 新FWを通過する通信について論理的な推測ができていること。
新FWの通信ログで確認できる通信を二つ答えよ。(二つ目)
模範解答
新外部DNSサーバ宛てのDNS通信
新公開Webサーバ宛てのWeb通信
採点基準
- 2点: 1つ目(q1_sq6_9)と異なるもう一方((a) 新公開Webサーバ宛てのWeb通信/(b) 新外部DNSサーバ宛てのDNS通信)。1つ目が誤り・無回答ならどちらでも2点。
- 1点: 宛先か通信の種類の一方が欠ける。
- 0点: 1つ目と同じ通信、それ以外。
- 1点: 通信として成立し、かつ1つ目と同じでない。
- 0点: それ以外。
解説
- 新公開Webサーバに接続するためには、まずドメイン名からIPアドレスを引くための名前解決が必要です。
- 条件に「フルサービスリゾルバのキャッシュに記録されていない」とあるため、ドメインを管理する権威サーバである 新外部DNSサーバ に対してDNSの問い合わせが発生します。
- この問い合わせもインターネットから新FWを経由してDMZ内の新外部DNSサーバへ送られるため、新FWのログには 新外部DNSサーバ宛てのDNS通信 が記録されます。
- 1つ目の通信とは順不同です。
高得点のポイント
- Webアクセスの前段として発生する名前解決要求のフローを正しく把握できていること。
- フルサービスリゾルバと権威サーバの通信を論理的に導き出せていること。
表8中の空欄gに入れる適切なIPアドレスを答えよ。
模範解答
172.17.11.1
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
解説
- 内部NWのネットワーク構成変更作業において、現行のL3SW1とL3SW2は停止・削除されます。
- これまで現行のL3SW1/L3SW2がVLAN11のデフォルトゲートウェイとして提供していた仮想IPアドレスは 172.17.11.1 でした。
- 切替作業においてスタックL3SWが現行のL3SWの役割を完全に引き継ぐため、VLAN11のインタフェースに一時的に割り当てていた 172.17.11.101 を、現行の仮想IPアドレスであった 172.17.11.1 に変更する必要があります。
高得点のポイント
- 移行手順における一時的なIPアドレス割り当てから本来の設定への切替の意味を正しく把握できていること。
- デフォルトゲートウェイの役割とIPアドレスの引継ぎについて論理的に導き出せていること。
表8中の下線⑫について,スタックL3SWは,PCから受信したDHCPDISCOVERメッセージのgiaddrフィールドに,受信したインタフェースのIPアドレスを設定して,新内部DNSサーバに転送する。DHCPサーバ機能を提供している新内部DNSサーバは,giaddrフィールドの値を何のために使用するか。60字以内で述べよ。
模範解答
PCが収容されているサブネットを識別し,対応するDHCPのスコープからIPアドレスを割り当てるため
採点基準
- 2点: ネットワーク構成や技術を正しく把握し、正確な知識に基づいて解答できている。
- 1点: 知識や理解に一部不足・誤りが見られる。
- 0点: 解答が的外れである、または全く理解できていない。
- 1点: 文脈や条件から論理的に正答を導き出せている。
- 0点: 論理的な構成になっていない。
設問6(1)~(5)は,正答率がやや低かった。移行設計では,現行の社内システムと新社内システムの構成を正しく把握し,移行期間中の構成,経路情報,作業手順などを理解することが重要である。本文中に示された条件を読み取り,正答を導き出してほしい。