令和5年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午後 問題 問2 無線LAN環境の偽AP脅威とHSTS対策
この問題は2023(R5)秋 情報処理安全確保支援士 午後に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・数式・図表参照の調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。
学習ガイド
アパレル業の社内ネットワークを題材に、来客者も使う無線LAN環境で第三者の接続をどう防ぐかを検討する問題です。FWのVLANインタフェース設定やフィルタリング設定、AP-5の設定表を読み解きながら、社外の攻撃者が偽APを立ててファイルを持ち出す脅威を想定します。従業員が誤って「http://」でアクセスした場合にHSTSがどう働くのか、といった設問に答えるには、無線区間の脅威と通信制御の両面を結び付ける必要があります。この記事では攻撃者の視点で経路を洗い出し、空欄の根拠を設定表から確認します。
この記事で押さえる論点
- 偽アクセスポイントを使った中間者攻撃の成立条件を説明できる
- FWのVLANインタフェース設定とフィルタリング設定から通信可否を読み取る
- HSTSが平文アクセス誘導をどう遮断するかを仕組みから述べる
- 来客用と業務用を分離した無線LAN設計の狙いを多角的に想定する
出題情報
- 出題
- 2023(R5)秋 情報処理安全確保支援士 午後 問2
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
企業内ネットワークでは,無線LANが広く普及している。来客者用の無線LANが設置されている場合もあり,こういった環境では,第三者が接続しないように,セキュリティ対策を行うことが重要である。本問では,アパレル業におけるセキュリティ対策の見直しを題材に,無線LANを使った環境における脅威を様々な角度から想定する能力及びセキュリティ対策を立案する能力を問う。
問2では,アパレル業におけるセキュリティ対策の見直しを題材に,サーバ証明書の検証,秘密鍵の管理及び無線LAN環境の見直しについて出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問2 セキュリティ対策の見直しに関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
M社は,L社の子会社であり,アパレル業を手掛ける従業員 100 名の会社である。M社のオフィスビルは,人通りの多い都内の大通りに面している。
昨年,M社の従業員が,社内ファイルサーバに保存していた秘密情報の商品デザインファイルを USBメモリに保存し,競合他社に持ち込むという事件が発生した。この事件を契機として,L社からの指導でセキュリティ対策の見直しを進めている。既に次の三つの見直しを行った。
- USBメモリへのファイル保存を防ぐために,従業員に貸与するノートPC(以下,業務PCという)に情報漏えい対策ソフトを導入し,次のように設定した。
- USBメモリなどの外部記憶媒体の接続を禁止する。
- ソフトウェアのインストールを除いて,ローカルディスクへのファイルの保存を禁止する。
- 会社が許可していない Webメールサービス及びクラウドストレージサービスへの通信を遮断する。
- 会社が許可していないソフトウェアのインストールを禁止する。
- 電子メール送信時のファイルの添付を禁止する。
- 業務用のファイルの保存場所を以前から利用していたクラウドストレージサービス(以下,Bサービスという)の 1か所にまとめ,設定を見直した。
- 社内ファイルサーバを廃止した。
M社のオフィスビルには,執務室と会議室がある。執務室では従業員用無線LANが利用可能であり,会議室では,従業員用無線LANと来客用無線LANの両方が利用可能である。会議室にはプロジェクターが設置されており,来客が持ち込む PC,タブレット及びスマートフォン(以下,これらを併せて来客持込端末という)又は業務PCを来客用無線LANに接続することで利用可能である。
M社のネットワーク構成を図1に,その構成要素の概要を表1に,M社のセキュリティルールを表2に示す。

図の説明テキスト
外部ネットワークとして「Bサービス」と「インターネット」があり、両者は接続されている。「インターネット」からはM社内のFW(ファイアウォール)のWAN-IF1へ接続されている。
M社のネットワーク構成:
- FW: WAN-IF1でインターネットへ接続。IF1でL2SW(レイヤー2スイッチ)のP9へ接続。
- L2SW: FWおよび各ネットワークセグメントの機器と接続。
- 執務室内の「サーバネットワーク(192.168.30.0/24)」:
- 業務サーバ(L2SWのP10へ接続)
- DHCPサーバ(L2SWのP11へ接続)
- DNSサーバ(L2SWのP12へ接続)
- ディレクトリサーバ(L2SWのP13へ接続)
- 執務室内の「従業員用無線LAN(192.168.20.0/24)」:
- AP-1など複数の無線LANアクセスポイント(L2SWのP20〜P23へそれぞれ接続)
- 各APには業務PCが無線接続されている。
- 会議室内の「来客用無線LAN(192.168.10.0/24)」:
- AP-5(L2SWのP24へ接続)
- AP-5には「来客持込端末」「プロジェクター」「業務PC(複数台)」が無線接続されている。
注記:
FW:ファイアウォール、L2SW:レイヤー2スイッチ、AP:無線LANアクセスポイント
注記1 IF1, WAN-IF1 は FW のインタフェースを示す。
注記2 P9〜P13 及び P20〜P24 は L2SW のポートを示す。
注記3 L2SW は VLAN 機能をもっており、各ポートには接続されている機器のネットワークに対応した VLAN ID が割り当てられている。P9 と P24 ではタグ VLAN が有効化されており、そのほかのポートでは無効化されている。有効化されている場合、複数の VLAN ID が割当て可能である。無効化されている場合、一つの VLAN ID だけが割当て可能である。

図の説明テキスト
| 構成要素 | 概要 |
|---|---|
| FW | ・通信制御はステートフルパケットインスペクション型である。 ・NAT機能を有効にしている。 ・DHCPリレー機能を有効にしている。 |
| AP-1~5 | ・無線LANの認証方式はWPA2-PSKである。 ・AP-1~4には,従業員用無線LANのSSIDが設定されている。 ・AP-5には,従業員用無線LANのSSIDと来客用無線LANのSSIDの両方が設定されている。 ・従業員用無線LANだけにMACアドレスフィルタリングが設定されており,事前に情報システム部で登録された業務PCだけが接続できる。 ・同じSSIDの無線LANに接続された端末同士は,通信可能である。 |
| Bサービス | ・HTTPSでアクセスする。 ・HTTP Strict Transport Security (HSTS) を有効にしている。 ・従業員ごとに割り当てられた利用者IDとパスワードでログインし,利用する。 ・M社の従業員に割り当てられた利用者IDでは,a1.b1.c1.d1^1) からだけ,Bサービスにログイン可能である。 ・ファイル共有機能がある。従業員がM社以外の者と業務用のファイルを共有するには,Bサービス上で,共有したいファイルの指定,外部の共有者のメールアドレスの入力及び上長承認申請を行い,上長が承認する。承認されると,指定されたファイルの外部との共有用URL(以下,外部共有リンクという)が発行され,外部の共有者宛てに電子メールで自動的に送信される。外部共有リンクは,本人及び上長には知らされない。外部の共有者は外部共有リンクにアクセスすることによって,Bサービスにログインせずにファイルをダウンロード可能である。外部共有リンクは,発行されるたびに新たに生成される推測困難なランダム文字列を含み,有効期限は1日に設定されている。 |
| 業務PC | ・日常業務のほか,Bサービスへのアクセス,インターネットの閲覧,電子メールの送受信などに利用する。 ・TPM (Trusted Platform Module) 2.0を搭載している。 |
| DHCPサーバ | ・業務PC,来客持込端末にIPアドレスを割り当てる。 |
| DNSサーバ | ・業務PC,来客持込端末が利用するDNSキャッシュサーバである。 ・インターネット上のドメイン名の名前解決を行う。 |
| ディレクトリサーバ | ・ディレクトリ機能に加え,ソフトウェア,クライアント証明書などを業務PCにインストールする機能がある。 |
注1) グローバルIPアドレスを示す。
FWのVLANインタフェース設定を表3に,FWのフィルタリング設定を表4に,AP-5の設定を表5に示す。

図の説明テキスト
| 項目 | セキュリティルール |
|---|---|
| 業務 PC の持出し | ・社外への持出しを禁止する。 |
| 業務 PC 以外の持込み | ・個人所有の PC,タブレット,スマートフォンなどの機器の執務室への持込みを禁止する。 |
| 業務用のファイルの持出し | ・B サービスのファイル共有機能以外の方法での社外への持出しを禁止する。 |

図の説明テキスト
| 項番 | 物理インタフェース名 | タグVLAN^1) | VLAN名 | VLAN ID | IPアドレス | サブネットマスク |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | IF1 | 有効 | VLAN10 | 10 | 192.168.10.1 | 255.255.255.0 |
| 2 | VLAN20 | 20 | 192.168.20.1 | 255.255.255.0 | ||
| 3 | VLAN30 | 30 | 192.168.30.1 | 255.255.255.0 | ||
| 4 | WAN-IF1 | 無効 | VLAN1 | 1 | a1.b1.c1.d1 | 255.255.255.248 |
注1) 物理インタフェースでのタグ VLAN の設定を示す。有効の場合,複数の VLAN ID が割当て可能である。無効の場合,一つの VLAN ID だけが割当て可能である。

図の説明テキスト
| 項番 | 入力インタフェース | 出力インタフェース | 送信元 IP アドレス | 宛先 IP アドレス | サービス | 動作 | NAT^1) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | IF1 | WAN-IF1 | 192.168.10.0/24 | 全て | HTTP, HTTPS | 許可 | 有効 |
| 2 | IF1 | WAN-IF1 | 192.168.20.0/24 | 全て | HTTP, HTTPS | 許可 | 有効 |
| 3 | IF1 | WAN-IF1 | 192.168.30.0/24 | 全て | HTTP, HTTPS, DNS | 許可 | 有効 |
| 4 | IF1 | IF1 | 192.168.10.0/24 | 192.168.30.0/24 | DNS | 許可 | 無効 |
| 5 | IF1 | IF1 | 192.168.20.0/24 | 192.168.30.0/24 | 全て | 許可 | 無効 |
| 6 | IF1 | IF1 | 192.168.30.0/24 | 192.168.20.0/24 | 全て | 許可 | 無効 |
| 7 | 全て | 全て | 全て | 全て | 全て | 拒否 | 無効 |
注記 項番が小さいルールから順に,最初に合致したルールが適用される。
注1) 現在の設定では有効の場合,送信元 IP アドレスが a1.b1.c1.d1 に変換される。

図の説明テキスト
| 項目 | 設定 1 | 設定 2 |
|---|---|---|
| SSID | m-guest | m-employee |
| 用途 | 来客用無線 LAN | 従業員用無線 LAN |
| 周波数 | 2.4GHz | 2.4GHz |
| SSID通知 | 有効 | 無効 |
| 暗号化方法 | WPA2 | WPA2 |
| 認証方式 | WPA2-PSK | WPA2-PSK |
| 事前共有キー (WPA2-PSK) | Mkr4bof2bh0tjt | Kxwekreb85gjbp5gkgajfg |
| タグ VLAN | 有効 | 有効 |
| VLAN ID | 10 | 20 |
〔Bサービスからのファイルの持出しについてのセキュリティ対策の確認〕
これまで行った対策の見直しに引き続き,Bサービスからのファイルの持出しのセキュリティ対策について,十分か否かの確認を行うことになった。そこで,情報システム部のYさんが,L社の情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)であるS氏の支援を受けながら,確認することになった。2人は,社外の攻撃者による持出しと従業員による持出しのそれぞれについて,セキュリティ対策を確認することにした。
〔社外の攻撃者によるファイルの持出しについてのセキュリティ対策の確認〕
次は,社外の攻撃者によるBサービスからのファイルの持出しについての,YさんとS氏の会話である。
Yさん:来客用無線LANを利用したことのある来客者が,攻撃者としてM社の近くから来客用無線LANに接続し,Bサービスにアクセスするということが考えられないでしょうか。
S氏:それは考えられます。しかし,Bサービスにログインするには a と b が必要です。
Yさん:来客用無線LANのAPと同じ設定の偽のAP(以下,偽APという),及びBサービスと同じURLの偽のサイト(以下,偽サイトという)を用意し,DNSの設定を細工して, a と b を盗む方法はどうでしょうか。攻撃者が偽APをM社の近くに用意した場合に,M社の従業員が業務PCを偽APに誤って接続してBサービスにアクセスしようとすると,偽サイトにアクセスすることになり,ログインしてしまうことがあるかもしれません。
S氏:従業員がHTTPSで偽サイトにアクセスしようとすると,安全な接続ではないという旨のエラーメッセージとともに,偽サイトに使用されたサーバ証明書に応じて,図2に示すエラーメッセージの詳細の一つ以上がWebブラウザに表示されます。従業員は正規のサイトでないことに気付けるので,ログインしてしまうことはないと考えられます。

図の説明テキスト
実線の枠内に箇条書きでエラーメッセージが記載されている。内容は「・c。」「・d。」「・このサーバ証明書は,失効している。」「・このサーバ証明書は,有効期限が切れている。」である。枠の下に「図2 エラーメッセージの詳細(抜粋)」というキャプションがある。
Yさん:なるほど,理解しました。しかし,偽APに接続した状態で,従業員がWebブラウザにBサービスのURLを入力する際に,誤って “http://” と入力してBサービスにアクセスしようとした場合,エラーメッセージが表示されないのではないでしょうか。
S氏:大丈夫です。HSTSを有効にしてあるので,その場合でも,①先ほどと同じエラーメッセージが表示されます。
〔従業員によるファイルの持出しについてのセキュリティ対策の確認〕
次は,従業員によるBサービスからのファイルの持出しについての,S氏とYさんとの会話である。
S氏:ファイル共有機能では,上長はちゃんと宛先のメールアドレスとファイルを確認してから承認を行っていますか。
Yさん:確認できていない上長もいるようです。
S氏:そうすると,従業員は,②ファイル共有機能を悪用すれば,M社外からBサービスにあるファイルをダウンロード可能ですね。
Yさん:確かにそうです。
S氏:ところで,会議室には個人所有PCは持ち込めるのでしょうか。
Yさん:会議室への持込みは禁止していないので,持ち込めます。
S氏:そうだとすると,次の方法1と方法2のいずれかの方法を使って,Bサービスからファイルの持出しが可能ですね。
方法1:個人所有PCの無線LANインタフェースの e を業務PCの無線LANインタフェースの e に変更した上で,個人所有PCを従業員用無線LANに接続し,Bサービスからファイルをダウンロードし,個人所有PCごと持ち出す。
方法2:個人所有PCを来客用無線LANに接続し,Bサービスからファイルをダウンロードし,個人所有PCごと持ち出す。
〔方法1と方法2についての対策の検討〕
方法1への対策については,従業員用無線LANの認証方式としてEAP-TLSを選択し,③認証サーバを用意することにした。
次は,必要となるクライアント証明書についてのS氏とYさんの会話である。
S氏:クライアント証明書とそれに対応する f は,どのようにしますか。
Yさん:クライアント証明書は,CAサーバを新設して発行することにし,従業員が自身の業務PCにインストールするのではなく,ディレクトリサーバの機能で業務PCに格納します。f は g しておくために業務PCのTPMに格納し,保護します。
S氏:④その格納方法であれば問題ないと思います。
方法2への対策については,次の二つの案を検討した。
・⑤FWのNATの設定を変更する。
・無線LANサービスであるDサービスを利用する。
検討の結果,Dサービスを次のとおり利用することにした。
・会議室に,Dサービスから貸与された無線LANルータ(以下,Dルータという)を設置する。
・Dルータでは,DHCPサーバ機能及びDNSキャッシュサーバ機能を有効にする。
・来客持込端末は,M社のネットワークを経由せずに,Dルータに搭載されているSIMを用いてDサービスを利用し,インターネットに接続する。
今まで必要だった,来客持込端末からDHCPサーバと h サーバへの通信は,不要になる。さらに,表5について不要になった設定を削除するとともに,⑥表3及び表4についても,不要になった設定を全て削除する。また,プロジェクターについては,来客用無線LANを利用せず,HDMIケーブルで接続する方法に変更する。
YさんとS氏は,ほかにも必要な対策を検討し,これらの対策と併せて実施した。
設問と解答・解説
設問1
(1)
模範解答
利用者ID
パスワード
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「利用者ID」または「パスワード」と正確に解答している。
- 2点: 意味は通じるが、不要な文字が含まれているなど表記揺れがある。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
利用者の本人確認を行うための基本的な認証情報である 利用者ID と パスワード についての出題です。
高得点のポイント
- 本文の文脈から、認証に用いられる2つの要素を正確に抜き出すこと。
- 表記揺れなく「利用者ID」「パスワード」と記述できること。
(2)
模範解答
利用者ID
パスワード
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「利用者ID」または「パスワード」と正確に解答している。
- 2点: 意味は通じるが、不要な文字が含まれているなど表記揺れがある。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
利用者の本人確認を行うための基本的な認証情報である 利用者ID と パスワード についての出題です。
高得点のポイント
- 本文の文脈から、認証に用いられる2つの要素を正確に抜き出すこと。
- 表記揺れなく「利用者ID」「パスワード」と記述できること。
(3)
模範解答
このサーバ証明書は,信頼された認証局から発行されたサーバ証明書ではない
このサーバ証明書に記載されているサーバ名は,接続先のサーバ名と異なる
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 認証局の信頼性、またはサーバ名の不一致について正確に記述している。
- 1点: 内容に不十分な点があるが、証明書エラーの主要な原因に触れている。
- 0点: 誤答、または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文意が明確で、自然な日本語として成立している。
- 0点: 文脈が破綻している、または意味が通じない。
解説
サーバ証明書の検証項目に関する出題です。偽サイトにHTTPSでアクセスした場合、ブラウザは証明書の検証エラーを検知します。
高得点のポイント
- 信頼された認証局 から発行されていない旨を指摘していること。
- 証明書に記載された サーバ名 と、接続先のサーバ名が異なる旨を指摘していること。
- 上記のいずれかを40字以内で簡潔に記述できていること。
(4)
模範解答
このサーバ証明書は,信頼された認証局から発行されたサーバ証明書ではない
このサーバ証明書に記載されているサーバ名は,接続先のサーバ名と異なる
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 認証局の信頼性、またはサーバ名の不一致について正確に記述している。
- 1点: 内容に不十分な点があるが、証明書エラーの主要な原因に触れている。
- 0点: 誤答、または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文意が明確で、自然な日本語として成立している。
- 0点: 文脈が破綻している、または意味が通じない。
解説
サーバ証明書の検証項目に関する出題です。偽サイトにHTTPSでアクセスした場合、ブラウザは証明書の検証エラーを検知します。
高得点のポイント
- 信頼された認証局 から発行されていない旨を指摘していること。
- 証明書に記載された サーバ名 と、接続先のサーバ名が異なる旨を指摘していること。
- 上記のいずれかを40字以内で簡潔に記述できていること。
(5)
本文中の下線①について,エラーメッセージが表示される直前までのWebブラウザの動きを,60字以内で答えよ。
模範解答
HTTPのアクセスをHTTPSのアクセスに置き換えてアクセスする。その後,偽サイトからサーバ証明書を受け取る。
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: HTTPSへの置き換えと証明書の受信について正確に記述している。
- 1点: どちらか一方の要素のみ記述している。
- 0点: 誤答、または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文意が明確で、自然な日本語として成立している。
- 0点: 文脈が破綻している、または意味が通じない。
解説
Webブラウザが安全な通信を確立する際の挙動についての出題です。
高得点のポイント
- HTTPアクセスを HTTPS へ置き換えていることを明記していること。
- 偽サイトから サーバ証明書 を受け取っている一連の流れを60字以内で記述していること。
設問1(2)は,正答率が低かった。攻撃者が偽サイトを用意したとしても,HTTPSでアクセスするのであれば,サーバ証明書の検証に失敗する。サーバ証明書の検証は,通信の安全性を確保するうえで基本的な知識であるので,具体的にどういった事項を検証するのかということまで含めて,よく理解しておいてほしい。
設問2
〔従業員によるファイルの持出しについてのセキュリティ対策の確認〕について答えよ。
(1)
本文中の下線②について,M社外からファイルをダウンロード可能にするためのファイル共有機能の悪用方法を,40字以内で具体的に答えよ。
模範解答
外部共有者のメールアドレスに自身の私用メールアドレスを指定する。
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 自身の私用メールアドレスを外部共有者に指定する手口を正確に記述している。
- 1点: 手口の記述が不十分だが、要点は押さえている。
- 0点: 誤答、または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文意が明確で、自然な日本語として成立している。
- 0点: 文脈が破綻している、または意味が通じない。
解説
ファイル共有機能の悪用方法に関する出題です。
高得点のポイント
- 外部共有者のメールアドレスとして 自身の私用メールアドレス を指定している点を指摘すること。
- 社外からファイルをダウンロード可能にする手口を40字以内で具体的に記述していること。
(2)
本文中の e に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
MACアドレス
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「MACアドレス」と正確に解答している。
- 2点: 意味は通じるが、不要な文字が含まれているなど表記揺れがある。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
ネットワーク機器の識別子である MACアドレス に関する出題です。
高得点のポイント
- 文脈に適合する適切なネットワーク用語を正確に抜き出せること。
設問3
〔方法1と方法2についての対策の検討〕について答えよ。
(1)
本文中の下線③について,認証サーバがEAPで使うUDP上のプロトコルを答えよ。
模範解答
RADIUS
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「RADIUS」と正確に解答している。
- 2点: 意味は通じるが、不要な文字が含まれているなど表記揺れがある。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
認証サーバがEAPで利用するUDP上のプロトコルである RADIUS に関する出題です。
高得点のポイント
- EAP認証を中継・処理するための標準的なプロトコル名を正確に記述できること。
(2)
本文中の f に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
秘密鍵
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「秘密鍵」と正確に解答している。
- 2点: 意味は通じるが、不要な文字が含まれているなど表記揺れがある。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
公開鍵暗号方式における 秘密鍵 の管理についての出題です。
高得点のポイント
- PKI(公開鍵基盤)の基本概念を理解し、認証に必要な鍵の種類を正確に特定できること。
(3)
本文中の g に入れる適切な字句を,20字以内で答えよ。
模範解答
業務PCから取り出せないように
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 業務PCから取り出せないように管理すべき旨を正確に記述している。
- 1点: 記述が不十分だが、持ち出し禁止の意図は伝わる。
- 0点: 誤答、または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文意が明確で、自然な日本語として成立している。
- 0点: 文脈が破綻している、または意味が通じない。
解説
認証情報のセキュリティ対策に関する出題です。
高得点のポイント
- 認証情報が 業務PCから取り出せないように 管理すべきであることを指摘していること。
- 文字数制限(20字以内)に従い、簡潔にまとめていること。
(4)
本文中の下線④について,その理由を,40字以内で答えよ。
模範解答
EAP-TLSに必要な認証情報は,業務PCにしか格納できないから
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 必要な認証情報が業務PCにしか格納できない点を正確に記述している。
- 1点: 記述が不十分だが、認証情報の格納場所に触れている。
- 0点: 誤答、または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文意が明確で、自然な日本語として成立している。
- 0点: 文脈が破綻している、または意味が通じない。
解説
EAP-TLS認証の仕組みと認証情報の格納場所についての出題です。
高得点のポイント
- EAP-TLSに必要な認証情報が 業務PCにしか格納できない という理由を明記していること。
- 持込みPCからアクセスできない仕組みを40字以内で論理的に説明していること。
(5)
本文中の下線⑤について,変更内容を,70字以内で答えよ。
模範解答
来客用無線LANからインターネットにアクセスする場合の送信元IPアドレスをa1.b1.c1.d1とは別のIPアドレスにする。
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 送信元IPアドレスを別のIPアドレスに変更する運用を正確に記述している。
- 1点: 記述が不十分だが、IPアドレスの変更について触れている。
- 0点: 誤答、または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文意が明確で、自然な日本語として成立している。
- 0点: 文脈が破綻している、または意味が通じない。
解説
ネットワークアクセス制御のためのIPアドレス管理に関する出題です。
高得点のポイント
- 送信元IPアドレスを 別のIPアドレス に変更する運用を明記していること。
- 来客用無線LANからのインターネットアクセスの仕様変更を70字以内で具体的に説明していること。
(6)
本文中の h に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
DNS
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「DNS」と正確に解答している。
- 1点: 意味は通じるが、不要な文字が含まれているなど表記揺れがある。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
名前解決を行う DNS プロトコルに関する出題です。
高得点のポイント
- 文脈からネットワーク通信における名前解決の仕組みを読み取り、正確な用語を記述できること。
(7)
本文中の下線⑥について,表 3 及び表 4 の削除すべき項番を,それぞれ全て答えよ。
模範解答
1
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 削除すべき項番を全て正確に解答している。
- 1点: 一部の項番のみ解答している、または不要な項番が含まれている。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
無線LAN環境の見直しに伴うファイアウォールのフィルタリング設定に関する出題です。
高得点のポイント
- 不要となった通信要件を正確に把握し、削除すべき項番を過不足なく特定できること。
(8)
本文中の下線⑥について,表 3 及び表 4 の削除すべき項番を,それぞれ全て答えよ。
模範解答
1,4
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 削除すべき項番を全て正確に解答している。
- 1点: 一部の項番のみ解答している、または不要な項番が含まれている。
- 0点: 誤答、または無回答。
解説
無線LAN環境の見直しに伴うファイアウォールのフィルタリング設定に関する出題です。
高得点のポイント
- 不要となった通信要件を正確に把握し、削除すべき項番を過不足なく特定できること。
設問3(2)は,正答率がやや高かったが,“公開鍵”や“サーバ証明書”といった解答が一部に見られた。PKIは,様々なセキュリティ技術の基礎となる重要な技術であるので,どのような場面でどのように利用されているのか,よく理解しておいてほしい。設問3(7)は,正答率が高かった。ファイアウォールの全てのフィルタリング設定と無線LAN環境の見直しに伴う影響を理解して解答する必要があったが,適切に理解されていた。