令和4年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問題 問2 主要ステークホルダとのコミュニケーション(論述)

学習ガイド

プロジェクト目標の達成に向けて、主要ステークホルダと積極的にコミュニケーションを行った経験を論じる午後II問題です。計画段階での過大な期待や相反する期待の確認と調整、実行段階での認識の不一致とその解消を、同じプロジェクトの事例で段階ごとに書き分けます。用語の使い分けと設問間の対応関係を整理します。

この記事で押さえる論点

  • プロジェクト目標の達成に大きな影響を与える主要ステークホルダを特定し、その影響を説明する
  • 計画段階で確認した過大な期待や相反する期待と、それが目標達成を妨げると判断した理由を述べる
  • 期待を調整するために計画段階で行ったコミュニケーションを具体的に書く
  • 実行段階で生じた認識の不一致の原因と、解消のために行ったコミュニケーションを論じる

問題本文

問2 プロジェクト目標の達成のためのステークホルダとのコミュニケーションについて

システム開発プロジェクトでは,プロジェクト目標(以下,目標という)を達成するために,目標の達成に大きな影響を与えるステークホルダ(以下,主要ステークホルダという)と積極的にコミュニケーションを行うことが求められる。

プロジェクトの計画段階においては,主要ステークホルダへのヒアリングなどを通じて,その要求事項に基づきスコープを定義して合意する。その際,スコープとしては明確に定義されなかったプロジェクトへの期待があることを想定して,プロジェクトへの過大な期待や主要ステークホルダ間の相反する期待の有無を確認する。過大な期待や相反する期待に対しては,適切にマネジメントしないと目標の達成が妨げられるおそれがある。そこで,主要ステークホルダと積極的にコミュニケーションを行い,過大な期待や相反する期待によって目標の達成が妨げられないように努める。

プロジェクトの実行段階においては,コミュニケーションの不足などによって,主要ステークホルダに認識の齟齬(そご)や誤解(以下,認識の不一致という)が生じることがある。これによって目標の達成が妨げられるおそれがある場合,主要ステークホルダと積極的にコミュニケーションを行って認識の不一致の解消に努める。

あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~設問ウに従って論述せよ。

設問と解答・解説

設問ア

配点 34点

あなたが携わったシステム開発プロジェクトの概要,目標,及び主要ステークホルダが目標の達成に与える影響について,800字以内で述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準

知識・理解度(内容)20点
  • 20点: プロジェクトの概要、目標、および主要ステークホルダが目標達成に与える影響が具体的かつ詳細に記述されており、ステークホルダマネジメントの観点が含まれている。ステークホルダマネジメントにおけるコミュニケーションに関する実践能力が十分に読み取れる。
  • 10点: プロジェクトの概要、目標、ステークホルダの影響について記述されているが、具体性や詳細さにやや欠ける。ステークホルダマネジメントの経験の裏付けが不十分である。
  • 0点: 要求された要素が不足している、またはプロジェクトマネジメント業務を担う者としての視点が欠如している。
論理性(構造)14点
  • 14点: 各要素(概要、目標、影響)のつながりが論理的で、全体として一貫性があり説得力がある。
  • 7点: 論理的な構成はされているが、一部で要素間のつながりが不明確である。
  • 0点: 構成が非論理的であり、内容の理解が困難である。

解説

設問の目的と概要

本問は、あなたが携わったシステム開発プロジェクトの全体像と、主要ステークホルダが目標達成に与える影響を整理する設問です。後の設問イ・ウの前提となる重要な部分です。

高得点のポイント

  • プロジェクトの目標とステークホルダの明確化: プロジェクトの目的を明確にし、主要なステークホルダが誰であるかを具体的に定義すること。
  • 目標達成への影響の分析: 各ステークホルダの関心事や権限が、プロジェクトのスケジュール、コスト、品質などにどのような影響を及ぼすかを具体的に論述すること。
  • プロジェクトマネージャとしての視点を持ち、単なる状況説明ではなくマネジメントの必要性を感じさせる論理展開とすること。

設問イ

配点 33点

設問アで述べたプロジェクトに関し,“計画段階”において確認した主要ステークホルダの過大な期待や相反する期待の内容,過大な期待や相反する期待によって目標の達成が妨げられるおそれがあると判断した理由,及び“計画段階”において目標の達成が妨げられないように積極的に行ったコミュニケーションについて,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準

知識・理解度(内容)18点
  • 18点: 計画段階における主要ステークホルダの過大な/相反する期待の内容、目標達成が妨げられる理由、および的確にマネジメントするために行った積極的なコミュニケーションが、実務経験に基づき具体的に記述されている。
  • 9点: 各要素は記述されているが、具体性がやや不足しており、プロジェクトマネジメント業務を担う者として期待される経験が不足していると推察される内容にとどまっている。
  • 0点: 内容が抽象的すぎるか、期待の内容、目標達成が妨げられる理由、コミュニケーションのいずれかの要素が欠落している。
論理性(構造)15点
  • 15点: 期待の内容から、それが目標達成の妨げとなる理由、そして解決策としてのコミュニケーションへの展開が論理的であり、一貫している。
  • 7点: 論理の展開にやや飛躍が見られるが、大筋の文脈は成立している。
  • 0点: 各要素間の論理的なつながりが見られず、説得力に欠ける。

解説

設問の目的と概要

計画段階におけるステークホルダの期待のマネジメントに焦点を当てています。過大な期待や相反する期待をどのようにコントロールしたかが問われます。

高得点のポイント

  • 過大な期待や相反する期待の具体化: 誰がどのような期待を持っていたのか、要件定義やスコープに関する対立などを具体的に記述すること。
  • 目標達成を妨げるリスクの特定: その期待を放置した場合、なぜ目標(納期、予算、品質など)が未達になるおそれがあるのかを論理的に説明すること。
  • 積極的なコミュニケーションの実践: 期待を調整するために、ステークホルダとどのような情報共有や合意形成(会議、折衝、説得など)を行ったかを示すこと。
  • 講評からの留意点: 計画段階のコミュニケーションにおいて、実務経験に基づいた具体性のある論述が求められます。表面的な対策ではなく、根本的な課題解決に向けた働きかけを強調してください。

設問ウ

配点 33点

設問アで述べたプロジェクトに関し,“実行段階”において生じた認識の不一致とその原因,及び“実行段階”において認識の不一致を解消するために積極的に行ったコミュニケーションについて,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準

知識・理解度(内容)18点
  • 18点: 実行段階における認識の不一致とその原因、不一致解消のためのステークホルダへの働きかけが具体的に記述されており、ステークホルダとの関係性の維持・改善を意識した実践能力が評価できる。
  • 9点: 認識の不一致や解決のためのコミュニケーションが記載されているが、原因の分析やステークホルダへの働きかけの具体性がやや不足している。
  • 0点: 認識の不一致の内容が不明確であるか、コミュニケーションによる不一致解消の取り組みが記述されていない。
論理性(構造)15点
  • 15点: 認識の不一致からその原因の特定、そして解消のための具体的なコミュニケーション策へのつながりが論理的で一貫している。
  • 7点: 論理の展開はされているが、原因と解消策の結びつきにやや説得力が欠ける。
  • 0点: 論理性が低く、状況と対策の間に整合性が見られない。

解説

設問の目的と概要

実行段階において顕在化した認識の不一致(齟齬や誤解)とその原因を分析し、解消に向けたコミュニケーションの実践を論述する設問です。

高得点のポイント

  • 認識の不一致の具体化: 実行段階(設計、開発、テストなど)で発生したステークホルダ間の認識のズレを具体的に描写すること。
  • 原因の深い分析: なぜその不一致が生じたのか、コミュニケーション不足や情報の非対称性など、根本的な原因を明確にすること。
  • 解消に向けた働きかけ: 単なる報告だけでなく、ステークホルダとの関係性の維持・改善を意識した双方向のコミュニケーション(ワークショップの開催、プロトタイプを用いた確認など)を記述すること。
  • 講評からの留意点: 認識の不一致の原因や解消のための働きかけを具体的に論述できているものが高く評価されています。プロジェクトマネージャとしての主体的な行動を強調してください。

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