令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問題 問17

主記憶へのアクセスを 1命令当たり平均 2回行い,ページフォールトが発生すると 1回当たり 40 ミリ秒のオーバヘッドを伴うシステムがある。ページフォールトによる命令実行の遅れを 1命令当たり平均 0.4 マイクロ秒以下にするために許容できるページフォールト発生率は最大幾らか。ここで,他のオーバヘッドは考慮しないものとする。

解答・解説

正解: ア. 5×10−65 \times 10^{-6}

本問は、ページフォールトによるオーバヘッドから、許容されるページフォールト発生率の最大値を求める問題です。

求めるページフォールト発生率を pp とおき、問題文で与えられた条件を整理して計算式を立てます。

  1. 各条件の単位を秒に統一する

    • ページフォールト1回当たりのオーバヘッド: 40 ミリ秒=40×10−3 秒40 \text{ ミリ秒} = 40 \times 10^{-3} \text{ 秒}
    • 目標とする1命令当たりの遅れ: 0.4 マイクロ秒=0.4×10−6 秒0.4 \text{ マイクロ秒} = 0.4 \times 10^{-6} \text{ 秒}
  2. 1命令当たりの平均遅れ時間を立式する

    • 主記憶へのアクセスは1命令当たり平均 2回 行われます。主記憶へ1回アクセスするごとに確率 pp でページフォールトが発生するため、1命令当たりのページフォールト発生回数の期待値は 2p2p 回となります。
    • したがって、1命令当たりの平均遅れ時間は以下のように表せます。
      2p×40×10−3=80p×10−3 (秒)2p \times 40 \times 10^{-3} = 80p \times 10^{-3} \text{ (秒)}
  3. 不等式を立てて発生率 pp を求める

    • ページフォールトによる命令実行の遅れを 0.4 マイクロ秒0.4 \text{ マイクロ秒} 以下にするため、次の不等式が成り立ちます。
      80p×10−3≤0.4×10−680p \times 10^{-3} \le 0.4 \times 10^{-6}
    • この不等式を pp について解きます。
      p≤0.4×10−680×10−3p \le \frac{0.4 \times 10^{-6}}{80 \times 10^{-3}}
      p≤0.480×10−3p \le \frac{0.4}{80} \times 10^{-3}
      p≤0.005×10−3p \le 0.005 \times 10^{-3}
      p≤5×10−6p \le 5 \times 10^{-6}

以上より、許容できるページフォールト発生率は最大で 5×10−65 \times 10^{-6} となります。

各選択肢の解説

  • ア: 正解です。
  • イ: 主記憶アクセスが1命令当たり平均2回行われることを考慮せず、1回であると誤って計算した場合(40×10−3×p≤0.4×10−640 \times 10^{-3} \times p \le 0.4 \times 10^{-6})に導かれる誤った数値(1×10−51 \times 10^{-5})です。
  • ウ: 計算の過程で、単位換算(ミリ秒とマイクロ秒の桁数)などを誤った場合に導かれる数値です。
  • エ: 主記憶へのアクセス回数の考慮漏れに加え、単位換算の桁数を誤った場合に導かれる数値です。

Spineチーム